2019年米国の経済価値は21.7兆ドル – そもそもGDPって何だっけ?

Ramon MによるPixabayからの画像

経済分析局(BEA)は1月30日、アメリカの国内総生産(GDP)が推定名目価値21兆7000億ドルであったと報告しました。

では、これは何を意味するのでしょうか。

ウェルズリー大学の経済学者であるDan Sichel(ダン・シックル)氏が、GDPという『数字』には〈何が含まれ〉、〈何が含まれていないのか〉を説明しています。

この記事では、シックル氏が執筆したGDPの解説を翻訳して紹介します。

はじめに

国内総生産またはGDPとして知られる経済指標は、20世紀の偉大な発明品の1つと呼ばれてきました。

GDPは、ある国の経済を理解するために重要であり、特定の期間にその国で生産された、すべての財とサービスの市場価値として定義され、通常一年〜四半期で報告されます。

例えば、最新の統計によると、2019年末でアメリカの名目GDPは21兆7000億ドルに達し、世界最大の経済大国となっています。

GDPの変化は、雇用、支出、投資、経済政策に関する重要な決定を行うため、政策立案者、企業、金融市場によって広く利用されています。

第4四半期のGDP成長率(インフレ調整後)は2.1%で、過去5年間とほぼ同じ、着実なペースで成長を続けています。

GDP

1930年にGDPの方法論が開発されるまで、経済がどのように動いているか把握することは非常に困難でした。

今は、弱気なのか、強気なのか、パット見て把握できると何が良いでしょう?

景気後退(リセッション)を相殺するため、金利の調整や減税という形で、刺激する策が必要なのか。過熱しすぎなので、制御不能なインフレにつながるリスクがあるのか。

といった事が、一見わかるからです。

GDPに関し、政策立案者は経済がどのように動いているか理解するのに役立つ、有用なツールを持っています。

しかし、この数字は経済について何を教えてくれるのか気になるところです。

マクロ経済学を専攻したすべての学生が学ぶように、GDPは、家計の財、サービスの購入、企業投資、政府の購入、貿易収支の合計です。

政府関係者は、行政データと調査データを使って各部品の価値を計算し、各項目を合計することによって、国で生産されたすべてのものの価値の推定値であるGDPを算出します。

一国の人口で割ると、一人当たりのGDPは、生活水準のおおよその目安であったり、国の間で比較するため使われることが多いです。

一国で生産された財とサービスの一人当たりの平均量が、幸福と相関している可能性が高いことを考えれば、特に不合理ではありません。

GDPは生産の尺度であり、ネット活動や幸福度を測定できない

しかし、GDPは幸福や価値ではなく、生産の尺度であることを認識することは重要です。

この違いは、単に売買された商品やサービスの合計を集計するだけでなく、より広い範囲で経済を測定する方法を見つけるため、『GDP超えの指標』を構築しようとする取り組みを生み出しました。

GDPは、価値を生み出す多くの項目を把握できていません。

例えば、食事の準備、子どもと高齢者のケア、飛行機の予約、ウィキペディアを書くのに費やす時間など、重要な社会活動の価値は含まれていません。

また、GDPが生まれた当時と異なり、検索やSNSなどのオンライン活動が広く普及した現代において、デジタル革命の恩恵を享受できません。

さらに、GDPは幸福度を測定していません。

GDP自体には、所得、健康、死亡率の分布に関する情報は含まれていないからです。

したがって、不平等や健康状態が悪化しているかどうかを測定するのに役立つことはないのです。

そして、気候変動や国の環境の状態については、何も述べられていません。

指摘したこれらの要因はすべて幸福につながっており、政策決定において測定され、説明することが重要でしょう。

経済学者たちは、一人当たりの平均値を分布のデータと組み合わせたり、幸福度を評価するための調査を用いたりするなど、GDPを超える、多くのアプローチを提案してきました。

それぞれのアプローチには長所と短所があり、GDPを超える最善の方法を確立することは、経済学の専門家の間で活発な研究や議論の対象となっています。

実際、『GDP――〈小さくて大きな数字〉の歴史』という本を読んだところ、概念は把握できたのですが、なんだか釈然としない数字だと感じていました。

GDPとはそのようなものであり、国の状況を把握するのに有用ですが、その国民の理解に結びつけることは、できないのではないでしょうか。

参照:theconversation

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