『テンプルトン卿の流儀』から分かる常に比較し安く買うことの大切さ

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テンプルトン卿の流儀 』は、マネー誌が「20世紀最高のストックピッカー(銘柄選択者)」と称えた伝説的なファンドマネジャーのジョン・テンプルトン氏の事を、その子孫であるテンプルトン・ローレン・C氏が書いた本である。

ジョン・テンプルトン氏は俗に言うバリュー投資家として分類され、バリュー投資は世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏も使用している価値観だ。

バリュー投資とは、本来ある価値よりも大幅に安く見積もられている企業(株価が低い)を長期的に保有することでリターンを得ていく手法だ。ジョン・テンプルトン氏は早くから世界に目を向けグローバル投資を創始し、50年にわたって市場平均をアウトパフォーム(収益率が上回る)したことで広く知られている。

Amzonの内容紹介から引用させてもらうと、本書は簡単に言えば以下のような事が書かれている。

  • ほかの投資家が悪材料に過剰反応しているときに冷静さを保つ方法を身につけること
  • テンプルトン卿のような株式のバーゲンハンターになること、つまり、感情に突き動かされた投資家が投げ売りする株を買い、必死に買おうとする株を売ること
  • 世界に目を向け、幅広くバーゲン株を買えるようになること
  • 分散化を通じてポートフォリオを保護すること
  • 銘柄選択の際に定性的な根拠だけでなく定量的な根拠を基にすること
  • どんな市場条件にも耐えられる実効性の高い投資戦略を採用すること

要約すれば、『投資で収益を挙げたいのであれば人と異なる発想・考え方をし、常にバーゲンハンターになれ』ということだ。

大衆投資家(経験のない個人投資家)は、人が買って値段が上がっている時に金融商品を買い、皆が売って値が下がっている時に売るので、基本的には常に市場平均をアンダーパームする。

バーゲンハンターとは、本来ある価値よりも安く売られているモノを常に発見・比較し、購入する人の事をいう。

興味深いのが、家電量販店やスーパーでも何でも良いが、多くの人は商品を購入する時は常に安く買おうとするのにも関わらず、株は常に高く買おうとする事だ。これはなぜかと言うと、周りの人(買い注文を出す投資家)と比較し、自分だけ異なるポジションを持つことが怖いからである。

ジョン・テンプルトン氏の格言に、『人が悲観しているところで買い、楽観しているところで売れ』というものがある。

金融商品も、なるべく安く買おう。僕は、本書を月980円で読み放題になるKindle Unlimitedで読んだ。

日常生活に置き換えた例

本の中では、こんな例が出てくる。

子供Aは、夏にレモネードを売ると多少儲けが出ることを知っており、近所で販売していた。Aはそろそろレモネードを販売することに飽きたのだが、レモネードを販売すると儲かるので引こうにも引けなかった。発想を変え、レモネードスタンドと原料に少し上乗せして他の人に売れば、もうレモネードを販売しなくて良いし儲けも出る。そこで、隣のB君に100ドルで買わないかと持ち掛けたところ、B君は了承した。販売方法も見せたほうがイメージ付くということで、今度の土曜日一緒にレモネードを売り、そのままスタンドを引き渡すことで合意した。

その土曜日。B君は、レモネードスタンドを売ってくれると学校の友達に言いふらしたので、同じようにレモネードスタンドが欲しい近所の子供達も欲しがって集まってきた。ただ、あいにく、この日は天気が悪そうだ。C君、Dちゃん、E君は、それぞれ120ドル、150ドル、200ドルでレモネードスタンドを欲しがった。E君が一番強そうだったので、A君は200ドルでE君に売ることにした。が、ここで雨が降ってきた。レモネードを販売する前に雨が降ってきてしまったので、レモネードはその日1杯も売れなかった。C君、Dちゃん、E君は、やっぱレモネードスタンドを買うのは辞めるといい、家に帰った。B君も100ドルを渋り、他の子供と一緒に帰ってしまった。A君は仕方無しに帰ろうとしたところ、木の陰からF君が出てきた。F君は傘を持っており、雨は気にもならないようだ。F君は、そのレモネードスタンドが50ドルで欲しいと言う。A君は、50ドルでは利益にならないと言ったが、F君が今お金を払えるのは僕しかいないしあなたは売りたいのだろう、と言ってきた。仕方無しに、A君はF君に50ドルでレモネードスタンドを販売することにした。

翌土曜日。この日は良く晴れている。F君は50ドルで購入したレモネードスタンドを外に持ち出し、レモネードを販売することにした。売れ行きは好調だった。C君、Dちゃん、E君がやってきて、それぞれ120ドル、150ドル、200ドルでレモネードスタンドを販売してくれと言ってきた。周りを見るとE君が一番強そうだったので、F君はE君に200ドルで売ることにした。

F君は、天候という状況を事前に調べることでリスクを予想し、価値あるものを安く手に入れ、利益を手にしたのである。

安く買う事

上記の例のようなことは、金融市場ではよく起こることだ。なので、バーゲンハンターになるのは簡単ではない。なぜなら、熱心な調査と、その調査で優良な結果が出てきた企業の競合とを比較し、十分に勝ち目があると判断してから買うからである。そして、調査の対象は身の回り(住んでいる国)だけでなく、世界へも向ける必要がある。

ジョン・テンプルトン氏はアメリカが不況であった時、アメリカの企業に投資することで生まれるリターンは大きくないと考え、世界に目を向けた。この時、氏が考えていたのはキャリートレードだ。キャリートレードとは、金利の安い国で金を借り、金利の高い国で貸す事で、金利差の分だけ利益になるというもの。例えば、金利1%の国で借り、5%の国で貸せば(5 – 1 = 4%)の利益を得ることができる。

勿論リスクはあり、通貨が異なるので為替リスクが生じる。ジョン・テンプルトン氏は、強い通貨を貸付先候補として考え、カナダドルの債権に見定めた。金利が安い国は、勿論日本だ。日本で日本円を低金利で借り、強い通貨で金利の高いカナダ・ドル建て債権を購入することでキャリートレードを行ったのである。結果として、非常に高い収益をあげた。

ある一国では見えてこないバーゲン対象も、世界に目を向け比較することで必ず何か投資対象や見つかるという。

金融商品に限らず、常に価値と価格を見比べ他と比較することで、コストパフォマンスの良い商品を購入するバーゲンハンターになっていこう。

他の人が良いと言っているから良いわけではない。

Keisuke Kuribara
株式会社Propagation代表取締役。興味対象は、ビットコイン、大麻、ウェブ、金融、生物、心理など。金融から健康、テック、音楽など様々な事について執筆しており、このブログは月間10万PV程度となっております。自身のアウトプットや知的好奇心を満たすことが主な目的です。お仕事の依頼や相談などお気軽にお問い合わせください。
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