余暇に十分な時間を割き、楽しむ重要性を理解している人は、意外と少ないことだろう。

最近、Journal of Vocational Behaviorに掲載された新しい研究は、趣味に多くの時間を費やすことが、仕事をうまくこなす能力と自信を高めることを発見した。ただし、自分の趣味と仕事が似ている場合は、余暇活動に費やす時間が増えると、かえって悪影響を及ぼすこともあるようだ。

研究の概要

家庭が仕事の生産性や満足度へどのように影響するかは多く研究がなされているが、余暇活動の影響についての研究は驚くほど少ない。そこで、シェフィールド大学のCiara Kelly(シアラ・ケリー)氏らは、アマチュア登山家からコメディアンまで、趣味を持つ129人を集め、趣味に費やす時間が仕事をどのように形成しているか調べた。

まず、チームは各参加者の趣味レベルを測定し、「趣味のため定期的に訓練する」などの発言に同意するかどうかを評価し、また仕事と趣味がどれだけ似ているかを評価した。

その後7カ月間(毎月)、参加者は自分の趣味に費やした時間を記録し、仕事遂行能力を測定する尺度や、「仕事で多くの課題をうまく解決することができる」などの発言で自分を評価する、「自己効力」を完成させた。

また、職場での『回復力』を測る尺度も完成させている。

趣味と仕事は異なる事が重要

研究者らは、参加者が余暇活動に通常よりも長い時間を費やすと、仕事を遂行する能力への自信が高まることを発見した。しかし、これは仕事とは違う真剣な趣味を持っていたり、趣味が仕事と似ていても何気なくやっている場合に限られた。

趣味が真剣で仕事に似ていた場合、その趣味に時間を費やすことは有害な効果をもたらし、自己効力感を低下させた。

趣味
仕事とは全く異なる『真剣な趣味』を持つことで、仕事への意欲や自信が向上するという。Photo by Juliet Furst on Unsplash

なぜか?

真剣な趣味を維持するためには、実際かなりの心理的資源を投資する必要があると著者らは述べている。

趣味が自分の仕事と大きく異なる場合、仕事を邪魔するのではなく、仕事への自信を高められるような知識やスキルを身につけるのに役立つ。

「ロッククライミングに熱心な科学者を考えてみましょう」とケリー氏は言う。

「クライミングは日常の作業活動からかけ離れているため、仕事のストレスから回復し、精神的資源を補充することができる」

Ciara Kelly

もちろん、このデータは効果の方向性について決定的な証拠を提供していない。例えば、人が趣味に費やす時間は、職場に影響する可能性がある。そして、趣味のない人々をどのように比較するかは、非常に興味深いことだろう。

仕事に似た趣味を持つ方が良いのか、それとも全く趣味を持たない方が良いのか。

長崎 離島
直近、趣味で長崎の離島に行って来ました🏝

なお、日々の業務と異なる活動であれば、会社は従業員に仕事以外のことに関心を持つよう奨励したいと考えている可能性があると研究は示唆している。

また、『趣味を仕事に』という夢を見る人たちにも警笛をならしている。

「私たちの調査結果は、趣味を仕事にしたい人たちが別の真剣な余暇活動を始めるべきかもしれないことを示唆しているのだ」

Ciara Kelly

参照:Research Digest

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