バックエンドがSiacoinの分散型クラウドストレージ『Filebase』を使ってみた

ブロックチェーン / 暗号通貨
この記事は約8分で読めます。

分散型クラウドストレージサービスである『Filebase』を使用してみたので、登録方法や設定方法、所感などを書いていきたい。

Filebaseとは

Filebaseは、AWSのS3と互換性のあるオブジェクトストレージサービスだ。S3と異なる点として、データの保存先がブロックチェーンになる。使用されているブロックチェーンは、分散型クラウドストレージネットワークのSiacoinである。

Filebase

Filebaseでは、スマートコントラクトにより世界中にあるSiaノードへデータは伝搬し、暗号化・複製されることでプライバシーと冗長性が最大化される。ブロックチェーンを使用することで、最高レベルのパフォーマンスと可用性を確保する事を目指している。

例えば、1TBのファイルをFilebaseに保存すると月額5ドルしかかからないが、Amazon S3では23ドルの費用がかかる。

このようにFilebaseは、コストは安く信頼性の高いクラウドストレージを目指しているわけだ。もちろん、Siacoinが壊滅した際はどうなるか分からないが。

ウェブサイトのUIがBootstrapほぼそのままという感じで潔く、僕は好きだ。

Siacoinとは

Siacoinは、ポストクラウド世界のための分散ストレージであり、分散型クラウドストレージ業界をリードするプラットフォームだ。登録、サーバー、信頼が必要な第三者期間は必要ない。Siaはブロックチェーン技術を活用し、従来のクラウドストレージプロバイダーよりも堅牢で手頃なデータストレージマーケットプレイスを構築している。

Siaブロックチェーンは、ネットワークへアップロードする前にファイルを30のセグメントに分割し、それぞれが世界中のホストへの配布を対象とされる。この分散機能により、1つのホストが単一障害点を表すことはなくなり、ネットワーク全体の稼働時間と冗長性が強化される。

ファイルセグメントは、CDやDVDで一般的に使用されているリード・ソロモン符号と呼ばれるテクノロジーを使用して作成される。符号化により、Siaは冗長な方法でファイルを分割することができる。30のセグメントのうち、任意の10セグメントでユーザーのファイルを完全に回復可能。つまり、30台のホストのうち20台がオフラインになっても、Siaユーザーはまだ自分のファイルをダウンロードすることが可能なのだ。

Siaは、分散ネットワーク上でデータを暗号化し配布する。プライベートキーで制御し、データを自身で所有する。従来のクラウドストレージプロバイダーとは異なり、外部の企業やサードパーティはファイルにアクセスしたり制御することはできない。

また、ブロックチェーンネットワークということからSiaのソフトウェアは完全にオープンソース(OSS)であり、Sia APIで革新的なアプリケーションを構築するソフトウェアエンジニアや活発な開発者コミュニティからコントリビューションされている。もちろん、誰でも参加可能だ。

本記事を執筆している時点で、2PB(2ペタバイト=200万ギガバイト)のストレージキャパシティ、431TB(431テラバイト)が使用され、Siaソフトウェアは120万ダウンロードされている。

Siacoinを取引できる主な取引所は以下の通り。

残念ながら、なかなか価格は上がらない笑(買ってなくて良かった)。

Siacoinの詳細は、「5つの分散ストレージプラットフォーム概説」を見ていただきたい。

Filebaseの価格設定

無料で登録すると、最初に5GBが与えられる。

プランは無料を含めて3タイプあり、Starterが月5ドル(1TB)、Proが月15ドル(3TB)と、非常に良心的な価格設定だ。

Filebase

登録

まずはFilebaseに登録する必要がある。右上のSign upから、登録しよう。

Filebase

各項に入力し登録すると、登録したメールアドレスへお馴染みの承認リンクが届く。「Confirm my account」をクリックし、実際に使用されているメールアドレスであることを証明する。

登録時に設定したメールアドレスとパスワードでログインする。

Filebase

バケットを作成

登録が完了したら、ファイルをアップロードしていくバケットを作成する必要がある。バケットとは、データを管理する大枠のようなもの。配下にフォルダやファイルが作成される。

Filebase

バケットの名前を指定する。

Filebase

バケットの名前は、Filebaseユーザー間すべてで一意の英数字文字列でなければならない。たとえば、「Sample」のように簡単な名前は許可されないようだ。バケットの名前は、長さ3〜63文字で小文字、数字、ダッシュで構成されていなければならない。もし異なっていた場合、以下のようなアナウンスが表示される。

Filebase

パスワードマネージャーで、小文字と数字によるランダムな英数字を出力し、それをBucket nameとしてみた。

Filebase

バケットをクリック。データをアップロードできる状態になっている。フォルダを作ることも可能。

Filebase

フォルダを作成

目的に応じてデータを集約したいので、フォルダを作成することにした。これは、バケット名がFilebaseのユーザー間で一意になっているため、その後ろに来るフォルダ名は何でも良かった。

Filebase

ファイルのアップロード

では、データをアップロードしていく。

Ty Dolla $ign – Or Nah ft. The Weeknd, Wiz Khalifa & DJ Mustard』をMP4としてダウンロードし、Filebaseにアップロードすることにした。YoutubeをMP4ファイルに変換するサイトを使用し、Youtube URLをMP4に変換・ダウンロードした後、ダウンロードしたデータをFilebaseにアップロードしている。

Filebase

データ転送中の様子。ステータスバーが進んでいく様子、気持ちいい。

Filebase

完了すると、アップロードしたデータがFilebase内に保存されたことが分かる。Filebaseにログインしているときはアップロードしたデータを見れるのだが、シークレットモードでアクセスしたところデータを見ることはできなかった。まだ公式ドキュメントがないこともあり、バケット単位でのアクセス権限や公開範囲を指定する事はできないようだ。

Filebase

完了

以下の画像を見ると、Filebaseのクラウドストレージにファイルがアップロードされていることが分かる(Filebase + Bucket name + Folder name + File nameというURL)。

Filebase
「Filebase + Bucket name + Folder name + File name」というURL

追記したとおり、パブリックバケットも公開されていたので、VHS Camというアプリで撮影した動画をアップロードしてみた。

ファイルのURLがFilebase経由になっていることをご確認いただけると思う(Dev Toolを利用する)。

その他

その他の機能について書いておく。

データ使用量

データの使用量を右上の設定アイコンから「Data usage」をクリックすると確認できる。

Filebase

API

以下の画像で確認できるように、AWS S3と互換性のあるAPIが提供されるため、ファイルのアップロード先をFilebaseへ指定しデータ管理は分散クラウドで行うといった事も可能なようだ(アクセス権限の指定ができないことから直近は厳しいかも)。

Filebase

感想

FilebaseやSiacoinの概要から登録、バケット作成、データのアップロードなどを紹介してきた。

現在、ウェブサービスやモバイルアプリに使用されるデータの保存先・配信元としてAWSのS3が使用されることは多い。すなわち、S3を触っている開発者が世界中でたくさんいるということだ。

FilebaseはS3と互換性があるので、仮にFilebaseにデータを保存したいアプリケーションが出た場合も、移行にさほど難しさを覚えることはないだろう。

S3を使用する事にコスト面で不安を覚える個人開発者らを中心に、近いうちFilebaseでデータを配信するアプリケーションがちらほら出てくるのではないかと思う。

僕は、通貨とともにデータの分散化(分散クラウドストレージ)に期待しているので、Siacoinの発展が楽しみである。本命はIPFSとそのインセンティブ通貨であるFilecoinなのだが、StorjやSiacoinも競争という意味で健闘してもらいたい。

Coindeskによれば、Siacoinを主体となって開発しているボストン拠点の企業Nebulous社は、Bain Capital Venturesが主導するシリーズAラウンドでBessemer Venture PartnersやDragonfly Capital Partnersから350万ドル(約36億円)の資金調達を行ったよう。

Sia Network Raises .5 Million From Bain Capital to Become Crypto Hulu - CoinDesk
Nebulous, the startup behind the Sia network for decentralized file storage, is doubling its staff and focusing on media streaming.

Nebulous社の資金調達はエクイティであるためSiacoinの価格形成とはまったく異なるが、適切なマーケティングや開発にリソースが当てられることで、ネットワーク(エコシステム)の成長に期待できるかもしれない。

分散型クラウドストレージでコンテンツデータが管理された、YoutubeやNetflix、Instagramのようなアプリケーションが出てくると面白いなと感じている(それっぽいものは一応あるけどもキャズムを超えるという意味ではまだ)。

追記

バケットのアクセス方法にパブリックがリリースされ、画像を一般に公開するか、しないかの選択ができるようになっていた。

ウェブで公開する画像はPublic、自分のみはPrivateを選択すれば良さそうだ。

ブロックチェーン / 暗号通貨

↓↓↓移動中やスキマ時間にインプットできるAudibleはオススメです✌️

この続きはcodocで購読
Keisuke Kuribara

株式会社Propagation代表取締役。興味対象は、ビットコイン、大麻、ウェブ、金融、生物、心理など。金融から健康、テック、音楽など様々な事について執筆しており、このブログは月間20万PV程度となっております。自身のアウトプットや知的好奇心を満たすことが主な目的です。お仕事の依頼や相談などお気軽にお問い合わせください。Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)を保有。

Keisuke Kuribaraをフォローする

クリブログ

コメント