2020-01-26 (日曜日)

国の強さは地政学が決めていた!『戦略の地政学 ランドパワーVSシーパワー』を紹介

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この記事は、Youtubeに公開した動画を元に記述したブログである。

文字よりも動画が良い方は、以下よりご覧頂きたい。

はじめに

米中貿易摩擦が起きていることもあり、戦争ではない何とも言えない状態になっている。

アメリカと中国だけでなく、国際テロや地域紛争などをみると、日本は安全であるものの安心できないと思う。

アメリカは長期化した中東への軍事介入で疲れ、世界の警察という役割を放棄している。

簡単に言えば、第二次世界対戦のような戦争は起きそうにないが、世界中で様々な摩擦が表面化しており、国の立場をどうするか、非常に重要になっているのだ。

国際社会では暴力という力が関係を支配するが、島国である日本で生活する日本人はどうすれば良いのか。地位を維持する方法を考えるのは大切なテーマ。

こういった問題の鍵となる要素に、地政学がある。

この動画では、地政学を解説した「戦略の地政学 ランドパワー VS シーパワー」を紹介する。

地政学とは

では、地政学とは何か。

それは、地理的要因、環境、歴史、文化、伝統が国家の戦略にどう影響を与えるか追求する学問だ。これらを総合的に考えることで、外交や安全保障といった戦略を提示する。

もちろん戦略に関係する学問なので、賛否両論がある。

しかし、当たって砕けろでは済まない国家戦略を考える上で、地政学は非常に重要だと思う。日本人の一人が地政学を知ったところでどうなるか、と思われるだろうが、地理的に見た国家の強みはマネーフローに繋がるものであり、ビジネスパーソンは知っておくべき知識だと僕は思う。

内容紹介

世界のどの場所で教育を受けたかで、地図の形が変わることを知ってる人は多いと思う。これは当然で、自分の国を中心にして学習させるのはごく自然なことだ。

日本、アメリカ、南アフリカ、ドイツ、イギリス、オーストラリア、全ての地図を集めてみると面白いかもしれない。

イギリスでは昔から、有事の際、陸軍は地図を広げ、海軍は地球儀を眺め戦略を考えたと言われる。そのくらい、国際情勢と地理は深く結びついており、理論として重要なのは変わらないだろう。

中国と日本が、尖閣諸島の領土問題で揉めているのは、単なる気分の問題ではない。中国が太平洋へ自由に出て活動するには数多くのルートがあるものの、最も便利なのは沖縄本島と宮古島の間を抜けていくルートになる。尖閣諸島は中国に近く、いわば太平洋の玄関となっている。こういった理由が、中国が尖閣諸島を欲する要因だそうだ。

一見分かりづらいが、地図を逆さまにひっくり返してみれば、すぐに分かると思う。

オーストラリアは、人口や国内総生産だけを見ると中堅国にもかかわらず、G20に名を連ね国際社会での存在感が大きいのはなぜか。それは、南半球に属しすべての主要国と距離がある不便さを解消すべく、国際社会の平和協力活動を積極的に行ってきたからだ。オーストラリアが繁栄する方法は、地政学的に見ると国際社会の安定へ積極的に参加するという戦略がベストだったわけである。

少し遅れたが、書籍タイトルにあるランドパワーとシーパワーについて説明したいと思う。その名の通りだが、ランドパワーは内陸国を指し、シーパワーは海洋国家を指す。陸と海でどのように戦うかを示しているのが、ランドパワーとシーパワーだ。

陸地は離れ離れになっていても海は1つにつながっていることから、海を制するものは世界を制すと言われており、これは確かな理論となっている。ランドパワーは土地への支配で拡大しようとし、シーパワーは貿易を通じて権益を拡大していく傾向にある。シーパワーは拡大してきたランドパワーを抑え込もうとするので、紛争の歴史はランドパワーとシーパワーの衝突であったと地政学の開祖とよばれる地理学者マッキンダーは述べている。

アフガニスタンは多数の貿易が交わる地点であったことから、これといった産業がなくてもユーラシア大陸の富が通過することで、利権が生まれるようになっていく。富が集まった結果、利権争いの地へと変貌を遂げていくこととなる。


地理をよく見ると、国家戦略が分かるようになるはずだ。緩衝材として機能させるため、ロシアは中央アジアを影響下におく戦略をとっている。筆者の知人であるウズベキスタン人も、ロシア語を話すことができるので、この事実は身を持って実感している。

地球温暖化の影響もあって、1年中凍っているわけでは無い地域が出てきた北極で、近年カナダ、ノルウェー、デンマーク、ロシアなどが権利を主張し始めているのはおもしろい。現状、南極のように秩序がない北極を、各国が我先にと動き始めるのは当然ともいえる。

ランドパワーを抑え込むためにシーパワーを強化する必要があることは述べたが、アメリカ海軍の軍人であったマハンは、国家がシーパワーになるための要素を6つ上げている。

  1. 大国になるため海を支配しなければならない
  2. 強大な海軍がなければならない
  3. 世界各地で港を整備し船団を強化しなければならない
  4. いかなる国家もランドパワーとシーパワーを共存させることはできない
  5. シーパワーとなるには、海に面し適切な人口と面積を持ち、漁業などの文化が必要である
  6. 国家戦略が海の利用を前提としていなければならない

これらの要素をみたしているのが、世界で最も力を持つアメリカだ。アメリカはマハンの理論を活かし、19世紀後半からカリブ海と太平洋に足場作りを進めていた。

ロシアは圧倒的にランドパワーの国であり、力を維持するため領土拡大と民族統治が必要だった。これが、ロシアが国際社会で大きな発展をできていない、戦争に勝ちきれていない理由であるとも言える。

ただし面白いのが、伝統的なランドパワーである中国だ。これは地理的要因だけでなく、世界観や伝統を理解する必要がある。中国は1つの国家として統一する事が最も重要な主目的であった。これは、多民族は公に認めず、権力により中華民族という根拠ない言葉を作ったことから見て取れる。最初に大統一を実現したのは始皇帝である、以来2000年にわたって数多くの王朝が栄えたり滅ぼたりしてきた。始皇帝の話などは、話半分にキングダムを読んで見ると、中国の歴史に興味を持つキッカケになるかもしれない。

中国が面白いのは、よくあるランドパワーと異なり、攻撃的防御戦略を用いていることだ。これは、海を砦として武力を誇示することで、侵略を防ぎつつ周辺国への支配をすすめていることから明らかだ。

では日本はどうか。

四方が海に囲まれた日本は、一見シーパワーであることは自明なのだが、帯状に伸びている長い島国のため太平洋のシーパワーとユーラシア大陸のランドパワーを活かせるという特徴がある。

使える戦略が3タイプあった。

  1. ランドパワーの中国とロシアとの関係を深め緩衝地域になる
  2. 太平洋のシーパワーの一員としてランドパワーと対峙する
  3. シー、ランド、両方ではなく東アジアで覇権をとる

したがって、取るべき戦略が明確でないことから、方向性が見えずシーパワーを意識する一方、大陸進出を目指すランドパワー的野望も兼ね備え、矛盾が生じていた。これは明治維新後のことである。

先に述べているが、ランドパワーとシーパワーを両方目指すのは無理が生じてしまう。

自国だけで存分なシーパワーを発揮するのが難しいと判断した日本は、イギリスと日英同盟を結ぶことにした。この日英同盟の存在は非常に大きく、アジアの小さい国であった日本を国際社会での地位を揺るぎないものにしたあたりが、やはりシーパワーの強さを感じさることとなった。現在日本がとっている地政学的な戦略は、アメリカとの日米安全保障条約で概ね表現できると思う。

話を沖縄に移そう。沖縄に米軍基地が集中している理由はなんだろう。2016年の防衛白書によると、面積ベースで日本国内にある米軍基地の74%が沖縄にある。これは、沖縄全体の10%に相当する。

なぜ沖縄なのか。これは、地理が大きな要因であると考えられる。那覇を中心として見ると、ソウル、平壌、北京、香港、マニラ、グアム、東京へのアクセスが抜群に良いことが分かる。北朝鮮や中国の軍事基地への距離はほぼ同じで、海峡にも近い。これは、何か会ったとき沖縄に海兵隊を配置しておくと対処しやすいのだ。半径3000〜4000キロで円を描くと、東アジアをすっぽりと覆うことができ、この有利な土地は太平洋で沖縄しかない。


半径1万キロで同心円を描くと、世界で主要な地域の殆どを覆うことができる国が1つだけある。これは、大航海時代に世界最強の海軍を持ったイギリス・ロンドンなのだ。

そして、ロンドンの次に主要な地域を多くことができる場所が、実は沖縄だ。

この凄さは、書籍でお楽しみいただきたい。震えると思う。

アメリカが沖縄に目をつけたのは、ペリーが来たときだそうだ。つまり、最強の海軍を持ったアメリカが第2次世界大戦敗戦後に漬け込んで沖縄を得たわけではなく、19世紀後半から太平洋の要塞として虎視眈々と狙っていたのだと考えるのが妥当である。

日米安全保障条約によるアメリカの依存は抜け出すべきであり、そういった部分は書籍を読んでほしい。紹介しきれない。

19世紀、イギリスの著名な政治家で2回首相を努めたヘンリー・ジョン・テンプルは、イギリスには永遠の味方も敵もいない、あるのは永遠の利益だけだと言っている。同盟関係は国益追求の道具に過ぎないので、冷徹に割り切る必要があるわけだ。

感想

平和な時代の前には必ず戦争があり、破壊されたものが新しくなることで新時代が生まれてきている。形は違えど、戦争というものがなくなることは今後も無いだろう。

ただし、戦いが起きづらくする事はできると思う。感情論で気に食わない事を騒いでいるだけでは何の解決生まれず、戦略的に外交をすすめるべきだし、戦略的外交を国民は支持するべきだと思う。

あくまで僕個人の考えを述べさせてもらうと、自衛するために軍事研究はするべきのはずだ。戦う準備をし、その準備が抑止力になり、万が一のときに役立つのがセオリーではないだろうか。

これは、ビジネスにも多少活かせる話だとおもう。市場で戦わなければならないとき、どこを攻めて相手を抑え、勝つのか。

地政学についてこれまで述べてきたが、有名な経営者は戦略好きだとよく聞く。孫氏の兵法は支持されているのは、そういった背景もあるのでは無いだろうか。

もともと、インターネット、宇宙、原子力、衛星は戦争を通じて開発されたものだ。

土地という制約があるなか、地図を様々な角度から見ることで、攻略していくのが地政学である。戦いというテーマについて知識を増やしていくのは非常に有用だと思う。


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Keisuke Kuribara
株式会社Propagation代表取締役。興味対象は、ビットコイン、大麻、ウェブ、金融、生物、心理など。金融から健康、テック、音楽など様々な事について執筆しており、このブログは月間10万PV程度となっております。自身のアウトプットや知的好奇心を満たすことが主な目的です。お仕事の依頼や相談などお気軽にお問い合わせください。

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