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はじめに 

今日は脳科学者である中野信子さんの「サイコパス」という書籍について話したいと思う。

皆さんの周り人やインターネットで、平気で嘘をついたり不正を働いても、平然としている人は見たことがないだろうか。

こういう人は、嘘がバレても恥じたりせずに、むしろ堂々としているケースが多い。

これは、自己の正当性を異常に主張すると言い換えることができる。

外見は魅力的かつ社交的で、トークやプレゼンがめちゃくちゃ上手いことが多い。また、一見魅力的なので、その人の事を信じて疑わない信者を持っていたり、性的に奔放でトラブルを抱えているなどするそう。

こういった人たちは、サイコパスである確率が高いと中野さんは述べている。

もともと連続殺人犯など精神異常を表していたサイコパスだが、進歩している脳科学により、「脳内器質のうち、他者に対する共感性や痛みを認識する部分の働き」が一般人とサイコパスでは違うことが明らかになってきた。

つまり、殺人犯などだけがサイコパスな訳ではなく、大企業のCEOや弁護士、外科医といった職業にもサイコパス属性の高い人が多いという研究結果が出ている。

先程少し述べたが、サイコパスの属性として、

  • 外見や語りが過剰で魅力的だったり
  • 緊張しなかったり
  • 倫理的な危険性を鑑みなかったり
  • 嘘を付くことが日常的であったりする

などがある。

つまり、尊大で自己愛に満ちた対人関係を築き、共感能力が欠落し、衝動的なわけ。

この本は人類進化の過程からサイコパスを読み解き、生存戦略としてサイコパスが必要だったことを説明している。

100人に1人はいるとされる、サイコパスについて掘り下げていこう。

内容紹介

わかりやすい例として、サイコパスが犯した事件をいくつか紹介する。

ランディ・クラフトというカリフォルニア出身のアメリカ人は、ITコンサルタントの仕事をする一方、夕暮時に若い男性を車で連れ去り、薬を飲ませて性行為をする性癖を持っていた。

ときには相手を拷問したりレイプし、殺害する行為を12年間で64回繰り返した。

んで、ランディは殺害した人のリストを作成しキレイに整理していたそうだ。

もう1人、ジェーン・トッパンという女性。ジェーンは看護師だったが、自分が勤務していた病院でモルヒネアトロピンを繰り返しうち、31人を殺害している。

これは6年間の間だ。

モルヒネが意識を朦朧とさせる効果があり、アトロピンは心拍数が増大する効果がある。つまり、反対の効果を示す薬物を打つことで反応を楽しんでいたわけ。

この殺人を犯していた行為についてジェシーは悪いと思っておらず、快楽を得ていたそうだ。

殺人事件を検証すると、「衝動的な殺人」と「手段としての殺人」に分類することができる。サイコパスは計画的に殺人をする傾向にあり、通常の人が計画的な殺人をした割合が48.4%であったのに対し、サイコパスは93.3%が殺人を手段としていた。

そして、サイコパスは殺人に必要なレベルを遥かに超えた暴力を加える傾向にあるようで、サイコパスが犯した殺人の遺体はボロボロであったり切り刻まれているケースが多いという。つまりは、他人が苦しむ様子を楽しむ傾向にあるということだ。

殺人犯だけでなく、ルックスが良くて嘘がうまかった詐欺師のケースも本書には出てくる。

ただ、サイコパスは犯罪者だけでないので、心理的な特徴や外見なども気になるところ。

ドイツのヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学の研究グループが調査したところ、顔が細長い男性ではなく、横幅比率が高い男性の方がサイコパス属性が高いという結果が出た。また、複数の実験結果から、心拍数がもともと低く、上がりにくい人ほど反社会性が高いという相関が示されている。

ただし、イメージされるように、サイコパスの方がIQが高いことは示されていない。

これは、ただの錯覚なよう。

行動的な面では、サイコパスは不安を感じづらいので、積極的な行動に出やすく、その場の空気を握ろうとする傾向にある。

面白い実験があって、サイコパスへ飢餓などで苦しむ子供の様子を見せたところ、感情と関連する脳の反応が活性化しなかった。

これが共感能力が低いとされる、ゆえんである。

アメリカ国立精神衛生研究所(NIH)によると、サイコパスは自律神経の反応が一般の人より弱いとされており、また、感情を読み取ることはできるものの察する能力に欠けていることが分かっている。

ただし、サイコパスは相手の目つきや表情で人の状況を読み取る能力には過ぎれているようだ。

つまり、感情について共感はしないが、理解することはできているわけ。

これは、国語で文脈から正解を探すように、相手がこの状況ではこう感じるだろうと答え探しをするのに近い。

ちょっと小話をすると、最初相手に貸しをつくり、信頼関係ができたところでキレ、相手に謝らせ、謝罪を受け入れ、関係を維持していくように、アメとムチを繰り返して依存させるなかで上下関係を作る。こういった人がいたら、サイコパスかもしれない。

人を操作するのが上手いのだ。

これまでは外見や行動について話してきたが、サイコパスのについても触れたいと思う。

道徳ジレンマの実験を行う。

ある村に殺人鬼が来て皆で隠れる必要があるとき、赤ちゃんの声が漏れるとバレてしまう。このとき、通常の人は口を防ぐなど工夫をこらそうとするが、サイコパスは迷わず殺すと判断するらしい。

赤ちゃんを殺した方が生き残れる人数が多いと合理的に判断しているわけだ。

サイコパスの脳を解析すると、大脳辺縁系の一部である扁桃体の活動が低いことが示されている。扁桃体は恐怖や不安を司る領域だ。

このことから、逆に扁桃体の活動が活発すぎる人はパニック障害や「うつ」になりやすい。

サイコパスは犯罪者だけでないと事は分かってきたと思うが、サイコパスは勝ち組と負け組に分類できる話しをしよう。

つまり、日常生活でうまくサイコ属性を使って成功している人と、犯罪者となって投獄されている負け組との違いである。

ドイツのアーヘン工科大学によると、勝ち組サイコパスと負け組サイコパスの違いは、背外側前頭前皮質(はいがいそく ぜんとうぜんひしつ)の厚さだそう。

前頭前皮質は、いわゆる冷静な判断や数字を覚える際に使用される部分で、自分を客観視するメタ認知の機能も担っている。

つまり、勝ち組サイコパスは前頭前皮質が発達しているので突発的な行動はせずに、合理的な判断で成功している可能性が高いわけだ。

さて、こうしたサイコパスの特徴は遺伝によるものなのか、環境によるものなのか、興味深いと思う。

サイコパスは近年急に出現した存在ではなく、昔からいた。歴史上の人物で言えば、織田信長、毛沢東、ロシアの皇帝だったピョートル1世、他にも研究者の分析によればジョン・F・ケネディやビル・クリントンを含む多くのアメリカ大統領は、サイコパス属性を示している。

イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで精神病理学を研究しているエッシ・ヴィディング教授は、反社会的な行動は遺伝の強い影響を受けており、要因の81%は遺伝性であるとしている。

その他の研究でも、サイコパスは遺伝的な要因が大きいという結果が出ているそうだ。

ただし、環境が関与していないわけではない。 

ある研究では、教育を受けることで犯罪率は下がることが示されており、また虐待を受けて育った子供は脳のサイズが小さくなる傾向にあるそう。

脳へダメージを与えるストレスは、誰にとってもよくないわけだ。

結論を出すのは難しいが、遺伝子と環境は相互に関わっていると言える。ただし、研究は環境による変化は犯罪率に結びつく結果を表したもので、サイコパスという観点でみれば遺伝的要素が大きいと考えられている。

教育で犯罪率は低下することが示されているということは、負け組サイコパスになる可能性は下げることができるんじゃないかと思う。

簡単に言えば、脳機能における遺伝的要素は大きいが、生育環境の悪さは犯罪の引き金になる可能性が高いということ。

本書内では、なぜサイコパスが生き残ってきたのか、という文脈を人間の生存戦略が語られている。マイノリティであるサイコパスがいたからこそ、秩序やルールができて、倫理を無視した判断を下すことで、何か革新が起きたのだと中野さんは分析している。

そこそこの文量があるので、是非書籍を手に取ってみてほしい。

感想

サイコパスは、一見、魅力的だったり、モテたり、社会的地位が高かったりする。

これらは、嘘がうまかったり、話しがうまかったり、共感能力が低いことの裏返しでもある。

この書籍を読んでみて、サイコ属性が高いと思った人を、注意深く観察してみると面白いかもしれない。「あの人、この項目当てはまっているし、それっぽい言動や行動するし、もしかしたらサイコパスかもな」など。

また、サイコパスの方が成功しやすい分野で生きている人は、サイコパスではなくともサイコパス性の強い行動や言動をすることで、出世できるかもしれない。

サイコパスについて学んで見ると、何か気づきになることはあるはず。生存戦略を考えるのに面白いテーマだと思う。

サイコパス関係でいうと、こちらの本も面白かった。

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