LineやInstagramで知人とメッセージを行っている方は多いと思います。
ですが、あなたのチャット履歴はプライベートメッセージで送信したところで、まったくと言っていいほど秘匿化されていません。
テキストメッセージはすべて、企業のデータマイニングに利用されるのです。
変な話、サービスを提供している事業者に内容は見られていると思ったほうが良いでしょう。

とはいう僕も、Facebook Messengerなどを使っていますが、
- 重要な情報
- 秘匿化したい情報
- 万が一外に漏れるとマズイ内容(パスワードなど)
を共有する際は、絶対にLineやFacebookなどのサービスは利用しません。
この記事は、『あなたのプライバシーを守るため』に『情報が暗号化されたメッセージングサービス』を紹介するものです。
日常的なメッセージは多くの人が使っているサービスを利用し、外部に出したくない情報は暗号化メッセージングサービスを利用することで、自分の情報をコントロールしましょう。
僕自身が使っているメッセージングサービスをいくつか紹介したいと思います。
1.Telegram

最も一般的に用いられている暗号化メッセージングサービス。
ロシア最大のソーシャルネットワークであるフコンタクテ(VK)の創設者であるニコライ・ドゥーロフとパーヴェル兄弟が2013年に立ち上げたものです。
シークレットチャットを用いることで、運営側にも情報は一切共有されないメッセージをやりとりすることができます。
ロシア政府にメッセージ履歴を提出されるよう求められましたが、拒否して創業者は祖国を追放されています。
僕自身は、Webでも使えることやOSの使用環境を選ばないことから、友人とのメッセージは本来Lineでは無くTelegramで行いたいです。
2.Signal

Open Whisper Systemsが開発しているオープンソースのメッセンジャーソフトウェア。
すべての通信内容がエンドツーエンドで暗号化されるため非常に高いセキュリティレベルが確保されます。
元NSA(アメリカ国家安全保障局)の職員で、データマイニングの事実を公開したエドワード・スノーデンが推奨している暗号化メッセージサービスです。
非常に秘匿性が高いのが特徴。
主な機能は、テキストチャット、ファイル添付、音声通話、ビデオ通話と十分です。
3.Wire

Wire Swiss GmbHによって作成されたエンドツーエンド暗号化メッセンジャーソフトウェア。
iOS、Android、Linux、Windows、macOS、FirefoxなどのWebブラウザで動作します。
Wireはテキストメッセージ、画像、動画、ファイルなどを送受信できます。
また音声電話、ビデオ通話、画面共有が可能で、ビデオ会議に使用できます。
Wireの従業員の多くは、以前Skypeで働いていたそうです。
スイスという個人情報保護に優れた国で開発・運営されているので、日本から開示請求が行ったときしてもスイス当局が賛成しなければ漏れる心配はありません。
しかも、エンドツーエンドで暗号化されているのでメッセージは解読できないのです。
IDでユーザーを検索できるなど、使い勝手はかなり良いですね。
4.Keybase

Keybaseは、オープンソースの公開鍵暗号で動くセキュアなソフトウェアです。
単なるチャットサービスではないので説明が難しいですが、すべてのデバイスがエンドツーエンドで暗号化されている、Slackのようなものを想像してみると良いかもしれません。
ほか、ファイルが漏洩したりハッキングされることはないDropboxでも良いです。
Gitによるリポジトリ管理もできます。
また、KeybaseはTwitterやGitHubなどと連携できる公開鍵基盤の管理ソフトウェアでもあります。
ソーシャルメディアのアカウントと連携させることで、あるTwitterアカウントを持つ人間と公開鍵暗号によるメッセージ交換を行うことができます。
したがって、KeybaseのアカウントとTwitter、GitHub、Facebookが連携されたアカウントは、紛れもない本物であり、スパムアカウントではないと証明することが可能になります。
ソーシャルアカウントの他、PGP Key、BitcoinやZCashのアドレスと紐付けることもできます。
さらに、Stellar(XLM)のウォレットも搭載されており、個人から個人へ簡単にXLMを送金可能。
メッセージング、ファイル管理、SNSアカウントとの連携、リポジトリ管理などと、めちゃくちゃ機能盛り盛りな『ソフトウェア』です。
5.Protonmail

ProtonMailは、2013年に設立されたオープンソースの電子メールサービスです。
アメリカ合衆国や欧州連合(EU)の権力が及ばないスイス連邦で運用されています。
2019年9月の時点で、1500万人以上の利用者がいます。
利用者同士のメールは送受信共に自動でエンドツーエンドの暗号化が施され、それにより安全性を確保しています。
プライバシーを保護したいメールは、Protonmailが必須レベルだと思います。
非常に使いやすく、スパムフィルターも優秀。
ProtonMailのサーバーは利用者の秘密鍵と公開鍵を保存していますが、その秘密鍵は暗号化されています。
復号はクライアント側で行われるので、サーバー側が秘密鍵を知る手段はありません。
これは、医療に関する患者情報のやり取りなど、絶対に漏洩してはいけないような資料をやり取りする際に、高い安全性をもって行うことができるからです。
500MBのストレージが無料で利用できるほか、課金するとエイリアスやSMTPなど高度な機能も使えます。
ProtonVPNという非常にセキュアなVPNサービスも同一アカウントで利用できるため、登録しない理由はありません。
『@pm.me』という形式でもメールを受信でき、メールアドレスを共有するのが楽です。
6.Tutanota

Tutanotaは、Tutanotaのメールアドレス同士の電子メールを自動的にエンドツーエンドで暗号化します。
これにより、PGPなどの知識が無い人物でも簡単に電子メールを暗号化し、安全性を保つことが出来ます。
日本EMDR学会では臨床事例の送付方にTutanotaを使用する事を推奨しています。
無料プランと有料プランが存在し、無料プランの場合は1GBの保存容量、1時間あたり100通までのメール送信が可能。
TutanotaとTutanotaで行うメールには、暗号化されているマークが付きます。したがって、Tutanotaアカウントを持っている人とはTutanotaでメールをやり取りすると良いでしょう。
これで、あなたのメッセージは企業に取られず、情報が漏洩する心配もほぼないですね!
参照:Wikipedia