環境の持続可能性へ関心が高まるにつれ、消費方法やその内容を変更する人が増えている。

これは、買い物袋をスーパーマーケットに持っていったり、ファストファッション反対運動がおき古着への関心の高まっていることから分かると思う。

では、このような行動は幸福とどのように関係しているのだろう。

Young Consumersに掲載された最新の研究によると、環境負荷が低いとされる商品を購入する事は、個人的な喜びを得るのでなく、物質主義的な衝動を抑えることへ焦点を当てるべきだという。

アリゾナ大学のSabrina Helm氏のチームは、消費者の選択が幸福へどう影響するかを理解するため、ミレニアル世代に影響を与える『文化として定着した物質主義的な価値感』を調査した。

研究者たちは、環境負荷を抑えた製品を購入する「グリーン調達」と、修理や再利用を伴う「消費の削減」という、2種類の行動へ焦点を置くことにした。

研究チームはまず、約1,000人の大学生を対象にした縦断的調査プログラムのデータから始めた。このプログラムでは、18歳から21歳までの最初の1年間と、その後、3、5年後にオンライン調査を行っている。

学生たちは、物質主義の度合いや、貯蓄などの積極的な金融活動を測る尺度を完成させた。

また、同チームは、再生材料を使用した物品の購入など、グリーン調達と消費行動の抑制を含む、環境への行動を測定する7項目の尺度を構築した。

そして、個人的幸福、生活の満足、金銭の満足、心理的な満足も測定した。当然ながら、物質主義的であればあるほど、消費の削減に取り組む可能性は低くなる。

Helm氏は、環境に優しい製品を買うことが絶対だと考える者がいると言う。

しかし、これらの唯物論者は熟考すべきである。

消費水準が低い人は個人的幸福度が高く、心理的苦痛も低いと報告したが、グリーン調達は幸福度と全く関係がなかったからだ。

「グリーン調達のパターンを通じて環境意識を高めると、参加者は満足するかもしれないと考えたが、そうではないようだ。消費量の減少は幸福度の増加や心理的苦痛の減少に影響を与えるが、環境に優しい消費には何も影響が見られなかった」

Sabrina Helm

重要なのは、調査から得られたデータは因果関係ではなく、単に相関関係にあるということだ。

物質主義のレベルが高い人は、他の理由で幸福度が低いかもしれないし、幸福な人は消費を減らす傾向にあり、その逆ではないかもしれない。また、物質主義レベルの高い人は、消費を減らすことで幸福を得られない可能性もある。

結局のところ、物質主義に影響を与える要因は複雑で、生活や文化に深く組み込まれていることが多く、こうした欲求を打ち消すことは期待するほど簡単ではないかもしれない。

幸せ

消費者の習慣の変化は、気候変動に関して転換点にはならないだろう。

誰もが知っているように、温室効果ガス排出量の71%はたった100社が原因だ。

そのため、Helm氏は日常的に購入する、使い捨てプラスチックの量が大きな影響を与えることはないだろうと述べている。

しかし、気候変動が刻々と変化していく中で、これらの問題に対する私たちの感情は間違いなく発展していくはずだ。環境問題における自分の役割を理解することは、重要になると思う。

参照:Research Digest

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