2020-01-20 (月曜日)

人間以外の霊長類も話し言葉を正確に解釈している🐵

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ブラウン大学の研究チームが、脳とコンピューターを使い、人間以外の霊長類の脳に記録された神経信号から英単語を復元した。

Nature Communications Biology誌で発表されたこの研究は、難聴患者を支援する脳内インプラントの開発に向けた一歩となる可能性があると、研究者らは述べている。

カーニー脳科学研究所の研究員で、本研究著者であるブラウン大学工学部のArto Nurmikko(アルト・ヌルミッコ)教授は、以下のように述べている。

「霊長類が、特定の言葉を聞いたときの二次聴覚野における神経興奮パターンを記録した。次に、そのニューラルデータを使用して、単語の音を忠実に再構築した」

Arto Nurmikko

またヌルミッコ氏は、「霊長類の脳で、音がどのように処理されているか、深く理解することが全体的な目標だ。最終的には、新しいタイプの神経補綴(しんけいほてつ)につながるかもしれない」と話す。

音の初期処理に関係する脳のシステムは、ヒトとヒト以外の霊長類で非常に似ている。初期レベルの処理は、一次聴覚野と呼ばれるもので、ピッチやトーンなどの属性に従って音を分類する。

信号は二次聴覚野に送られ、そこでさらに処理される。

例えば、話し言葉を聞いていると、音は音素に分類される。これは、単語を区別する最も単純な機能だ。

その後、情報は脳の他の部分に送られ、人間が言葉を理解できるように処理される。

つまり、音の初期処理は、ヒトとヒト以外の霊長類で似ているため、霊長類は聞いた言葉をどう処理しているのか理解することは、言葉の意味を理解しているかに関わらず有用なのである。

研究では、96チャンネルの微小電極アレイを備えた、2つのエンドウ豆サイズのインプラントでニューロンの活動を記録。アカゲザルが、個々の英単語とマカクの鳴き声の録音を聴いた。

サルは、

  • 「木」
  • 「良い」
  • 「北」
  • 「クリケット」
  • 「プログラム」

という、非常に単純な1〜2つの音節の単語を聞いた。

研究者たちは、特定の単語に関連する神経パターンを認識するため特別に開発されたコンピューター・アルゴリズムを使って、神経記録を処理した。

処理されると、神経データをコンピューターで生成した音声に変換することができる。

最後に、チームはいくつかの測定基準を用いて、再構成された音声はサルが聞いたオリジナルの話し言葉とどれだけ一致するかを評価。

結果、記録された神経データが、人間の聞き手に明らかなほど、忠実度の高い再構成を生成することを示した。

このような複雑な聴覚情報を記録するために、複数の電極からなるアレイを使用したのは今回が初めてだという。

博士課程の学生であるJihun Lee(ジフン・リー)氏が実験を率いたこの研究の目的の1つは、特定の復号化モデル・アルゴリズムが、他のアルゴリズムよりも優れているかどうかテストすることだった。

この研究は、計算神経科学の専門家であるWilson Truccolo(ウィルソン・トゥルッコロ)氏と共同で行われたもので、リカレントニューラルネットワーク(コンピューターによる言語翻訳でよく使われる機械学習アルゴリズムの一種、RNNs)が、最も忠実度の高い再構築を実現したことを示している。

RNNは、脳の他部分からの神経データ解読に有効であることが示されている、伝統的なアルゴリズムよりも優れていた。

ブラウン大学の研究員で、ツールを開発した論文の共同執筆者でもあるChristopher Heelan(クリストファー・ヒーラン)氏は、RNNの成功は複雑な聴覚情報の解読に重要な柔軟性に由来すると考えているそうだ。

「神経解読に使用される従来のアルゴリズムは、脳がどのように情報を符号化するかに強い仮定をしいており、神経データをモデル化するアルゴリズムの能力を制限している。ニューラルネットワークは、多くのパラメータを持ち、神経データと実験タスク間の複雑な関係を学習することを可能にする」

Christopher Heelan

研究者たちは最終的に、この種の研究が、聴覚の回復に役立つであろう、神経インプラントの開発に役立つことを期待している。

理想的なシナリオは、聴覚器官の大部分を迂回し、直接脳に入るシステムを開発することだという。

この研究は、米国防総省の国防高等研究計画庁(N66001-17-C-4013)の支援を受けている。

Journal Reference:

  1. Christopher Heelan, Jihun Lee, Ronan O’Shea, Laurie Lynch, David M. Brandman, Wilson Truccolo, Arto V. Nurmikko. Decoding speech from spike-based neural population recordings in secondary auditory cortex of non-human primatesCommunications Biology, 2019; 2 (1) DOI: 10.1038/s42003-019-0707-9

参照:sciencedaily


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Keisuke Kuribara
株式会社Propagation代表取締役。興味対象は、ビットコイン、大麻、ウェブ、金融、生物、心理など。金融から健康、テック、音楽など様々な事について執筆しており、このブログは月間10万PV程度となっております。自身のアウトプットや知的好奇心を満たすことが主な目的です。お仕事の依頼や相談などお気軽にお問い合わせください。

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