これまでの人生で、友人が〈ピラミッドスキームや一攫千金などの嘘で犠牲になったり〉、〈Facebook上のフェイクニュースや陰謀説を本気で信じたり〉、〈危ない新興宗教へ本気でハマっていたり〉、〈霊的助言を定期的に求め大金を浪費したていたり〉したことがあるかもしれない。

上記のように、インターネット上で人が騙される破壊的な話は事欠かないが、一般にこうしたモノは、Reddit、YouTube、ポッドキャスト、ブログなどですべて公開されており、世界中から見ることができる。

もちろん、筆者もインターネットで詐欺を見かけることは往々にしてあり、次はこんな手口なのかと楽しんで見させてもらっているが笑。最近だと仮想通貨関連が本当に多い。

事実として、人間は自然に『刺激的』で『センセーショナル(感情・感覚を強くゆすぶる)』なものに引き込まれてしまう。自動車事故、飛行機事故、生活費を騙し取られた人々を考えてみよう。

ネガティブな感情に人間は強く反応することをこのブログでは何度か発信しているが、それは人間の本能によるものだからだ。

第一に、他人の痛みを見ることは、自分の安全を再確認するのに役立つ。また感情的な現実逃避を体験することもできる。

科学は、なぜ人々が悲劇を避けられないのか簡単に説明できるかもしれないが、一般的な人にとって本当の疑問は、そもそもなぜ人々は騙されやすいのかということだろう。

バーナム効果

多くの専門家は、人が騙されるのはバーナム効果が原因だと考えている。

ショーマンで悪名高いP.T.バーナムにちなんで名付けられたこの効果は、星座占いなど個人の性格を診断するかのような準備行動が伴うことで、誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、自分、もしくは自分が属する特定の特徴をもつ集団だけに当てはまる性格だと捉えてしまう心理学の現象だ。

著名なショーマンであったP.T.バーナム氏。愉快な「ホラ話」とサーカスを設立したことで知られる。Via:addicted2success

実際、これは非常に汎用的であり、誰にでも適用できる。

ちなみに、P.T.バーナムは映画『グレイテスト・ショーマン』のモデルとされる人物。

Brittanica.comでは、バーナム効果に関する次のような例を示している。

  • 「うまくいかないプロジェクトに力を入れすぎることがある」
  • 「あなたは変化を好み、自分にできることに制限を感じたくない」
  • 「あなたには弱点があるものの、それを克服してより良い人間になるために一生懸命努力する」

これらは一般に誰でも当てはまるものだが、何かで悩んでいる人にとって、こういった事を話してくれる人物は特別な理解を示していると勘違いしてしまう。

したがって、バーナム効果は基本的に超能力者や魔術師がビジネスを続ける「手段」となっている。当然のことながら、この効果は肯定的な発言や称賛的な発言に最もよく作用する。

マジックからマーケティングへ

バーナム効果は強力なマーケティング戦略へと発展した。企業はパーソナライズされた商品や「レコメンド商品」を紹介するときは、常に上述した一般的な心理状態をさも特別に扱い、顧客と一対一の関係をしようとする(否定している訳ではなく、今日は心理のお話なので😜)。

MLMのコンサルタントは同じようなテクニックを使って『メンバー』を募集するが、多くの場合、個人的に感じられるよう設計された一般的なスクリプトをコピー&ペーストしている。アピールは外見についてのお世辞から始まり、「あなたにぴったりです🙌」という誘い文句に続く。MLMに多くの人が参加している事実は、この戦略が有効であることを示唆している。

アムウェイ
日本で大きなネットワークを持つ渋谷にある米Amwayの日本本社

2018年のAARPのレポートによると、2000万人のアメリカ人がMLMの組織に参加しているが、半分は結局赤字になり、残りのほぼ3分の1はまったく利益を得ていない。

日本の統計を探してみたものの、最新の良い資料がなく掲載できなかった。

一方、The New York Timesの2019年3月の記事によると、米国人の41%が心霊術を信じており、心霊術サービス業界は着実に成長し、2018年の収益は20億ドル以上に達している。

そして、どれだけの人々がフェイクニュースの犠牲になったかを知るため、2016年米大統領選挙の結果を見てみよう。

このことから、多くの人がバーナム効果の影響を受けやすいことは認めざるを得ない。

試練がより魅力的に見せる

なぜ詐欺にあいやすい人がいるのかは、個人の履歴と関係があるかもしれない。

2006年に行われたレスター大学の研究によると、子どものころに悲劇や困難に見舞われた人は、騙される可能性が高くなる。例えば、仲間からの圧力に屈したり、他人に誤解されやすくなったり、メディアの影響を受けやすくなったりするようだ。

刺激が強く害となる経験には、

  • 大きな病気やけが
  • 親の離婚
  • 愛する人の死
  • 仕事上のストレス
  • 学校でのいじめ
  • 犯罪被害

などがある。

困難に直面してきた人は、否定的な結果を自分と結びつけて考えるようになるという。全てが自分のせいだと思うようになっても不思議ではない。

常に否定的であった人が、新しくエキサイティングな機会に最適だとか、来月の新月は経済的な利益をもたらされると助言されれば、必然的に意識しその人のことを信じてしまうかもしれない。

人はみな、バーナム効果に影響され、騙される可能性がある。筆者自身も、いつ騙されてもおかしくない。そういったとき、自分自身に問いかけると良い質問がある。

それは、『誰にどのようなインセンティブがあるか』を常に考えることだ。これだけで、世の概ね仕組みは分かるのだ。

👇動画でもどうぞ

参照:psychologytoday

You May Also Like
続きを読む

なぜ、女性はオーガズムを偽造するのか

人間のセクシュアリティは素晴らしい。私たちがセックス時に様々な行動をする理由についての理解は、心理学研究者の興味をそそり続けている。 とくに、オーガズムを偽装するなどは興味深い。 現代人のほとんどは、満足できる楽しい性生…