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日曜日, 12月 15, 2019

こんまりがKonMariされそうな雑貨をネットショップで売り始めた面白い話

『片付けコンサルタント』と呼ばれる人物をご存知の方は多いと思う。

そう、『こんまり』こと近藤麻理恵氏だ。

こんまり氏の本質は、「身の回りにあるのは、心ときめくものだけにする」というコンセプトである。したがって、『ミニマリスト』と呼ばれる人とは異なり、物をほぼ持たない訳でなく、より良い物だけを所有することに価値を置いている。

彼女は、2010年12月に「人生がときめく片づけの魔法」という書籍を出版し、そこから人気が出たと記憶している。この本はマジですごくて、1,091件のレビューが付き、その殆どが高評価なのである。

人生がときめく片づけの魔法

多少サクラが入っていると過程しても、本当にすごい評価を得ているのだ。2019年には改訂版が出ており、勢いは止まらない。

また、書籍がバカ売れしたことをキッカケに、コンテンツ王者の米Netflixとのオリジナル番組も製作しアメリカでも「KonMari」は高い支持を受けている。

家と物が大きく、また消費量も多いアメリカでは片付けの苦手な方が多いようで、彼女の価値観やキャラクターがウケたのだろう。

本で高い評価を受け、Netflixでも人気となれば、その集客力は半端なものではない。

Instagramのフォロワーは約3百万人、Twitterは1.4万人、YouTubeのサブスクライバーは約39万人である(執筆時点)。

すごいインフルエンサーだといえる。

片付けコンサルタントが雑貨ECを始めた背景

さて、そんな超強いこんまり氏であるが、彼女の会社『KonMari』はエクイティファイナンスを行っている。KonMariは、平成28年4月1日に設立されたKonMari Mediaという会社で、代表取締役CEOは近藤麻理恵氏でなく、砂子貴紀氏が務めている。

したがって、こんまり氏の事業は、彼女個人で行っているものでなく、彼女をプレイヤーに配置した株式会社が行っているわけだ。

KonMari Mediaは、大型の資金調達を行っているのだが、株主の顔ぶれはすごい。活動拠点がアメリカとのことなので、詳しく調べることはしないが、米名門VCであるSequoia Capitalがリードするシードファイナンスを実施し、また2019年8月には楽天が株式会社の過半数を取得している。

さること3月には評価額約40億円で交渉を進めていると報じられており、実行されたかは不明だが割とガチガチになっていると思う。

あまり詳しく無い方のために説明すると、株式会社の株は権力に一致するところがある。つまり、自己資金で株式100%を持っている創業者は何のシガラミもないが、外部の人物に株式を渡すと、その者は発言権を手に入れる。んで、株式を多く持っているほど力は強くなる。

株主は当然利益を追求するので、より多く儲けるように事業を作っていくのだ。

これは当たり前のことなので、何か言うことはない。

持っている影響力と利益のジレンマ

話しを戻そう。

近藤麻理恵氏は、片付けコンサルタントである。つまり、彼女の価値観とキャラクターで利益を出していくにあたり最適なのは、以下のような無形商材となるはずである。

  • セミナー開催
  • コンテンツ販売
  • 企業のコンサルティング
  • 不用品の改修と販売(輸出など)

これは、片付けコンサルタントと名乗るだけに、物を売るのは適しずらいからだ。それはそうのはず。ときめくものだけを身の回りに置こうというコンセプトで人気を得たこんまり氏は、余分な物を売るのに向いていない。

こんまり
https://flic.kr/p/2e4xxaD

しかしながら、日本向けのサイトである『konmari.jp』 ではなく『konmari.com』で、18日に雑貨を販売し始めたようだ。CNNの記事を引用すると、「配送先は米国のみ。商品はアロマ、書籍、キッチン用品、整理収納用品など7つのカテゴリーに分かれている。日本の木工職人が作った指圧棒が12ドル(約1400円)、東京で手作りされた革製の室内履きが206ドルなど、計100点以上を扱う」とのこと。

こういった事が気になってしまう性格なので、もちろんウェブサイトは見に行った。

ここには、「心ときめくもの」のみが存在しなければ本来おかしいものの、筆者から見ればよく分からない商品が陳列されている(人それぞれなので、気を悪くした方がいたら申し訳ない)。

ここで、筆者は察した訳だ。

「これは、株主の圧力だ。。」
「世知辛い!」

Via Life is awfully hard | 002

強い集客力を持っているインフルエンサーには、直接物を販売してもらうのが一番利益率が良い。

物を売るとき必要となる要素は、概ね以下の通りである。

  • 集客
  • ブランディング
  • コンバージョン
  • 単価

従来、ブランドは長年かけて信頼を築いてきたのだが、インフルエンサーはすでにファンから信頼を得ているので、ブランディングと集客にかける広告費が抜群に少なくて良い。これは、本当にデカイのだ。

別の記事で紹介しているカイリー・ジェンナーなどは、インフルエンサーブランドの成功例である。

カイリー・ジェンナーの美容ブランドは強く機能し、評価額12億ドルで株式の約半数を売却している。一応説明すると、カイリー・ジェンナーは美容系のインフルエンサーであり、表現が難しいが、アメリカの『ケバい若い女性』だと言える。

ケバい女性で、多くのフォロワーを抱えていれば、ラベル変えした美容品を販売しても、何ら矛盾点はない。

しかし、こんまり氏は『片付けコンサルタント』である。使い所に困る雑貨を販売するのは、キャラクターと合っていないのでは無いかと、筆者は考えている。

株主にも種類があり、エンジェル投資家であれば対して圧力はかけられない。これは、あくまでエンジェルであり、出資時点で口出ししないことへ合意できるからだ。

だが、KonMari Mediaはベンチャーキャピタルというファンドと、楽天というコングロマリット企業から出資を受けている。

こういったエクイティファイナンスでは、株主は出口、つまりイグジットを求める。そして、望んでいるイグジットは、より高い価格で所有株式を売却することだ。

したがって、出資を受けた企業は、企業価値を高めるための事業を行わなくなければならない。具体的には、利益率が高いビジネスを継続していくくことだ。

KonMari Mediaは、テクノロジーカンパニーではないので、レバレッジが効く事業は物販ぐらいだろう。

自由にやりたかったら、会社設立は自己資金で、事業回わせるようになったら低金利で借りれるデットファイナンスが良いかもね。エクイティファイナンスは企業価値が上がってからなら、支配されづらいので。

この記事は、こんまり氏のビジネスに何か言うことではないので、そこは理解してほしい。

Keisuke Kuribara
株式会社Propagation代表取締役。興味対象は、ビットコイン、大麻、ウェブ、金融、生物、心理など。金融から健康、テック、音楽など様々な事について執筆しており、このブログは月間10万PV程度となっております。自身のアウトプットや知的好奇心を満たすことが主な目的です。お仕事の依頼や相談などお気軽にお問い合わせください。
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