糖質制限法のケトン食が健康に良いのは最初1週間だけ

ケトジェニックダイエット

イェール大学の研究者らがマウスを用いた研究で明らかにしたところによると、ケトジェニックダイエット(ケトン食)とよばれる、『脂肪から99%、炭水化物からは1%』でカロリー摂取する食事法を採用すると、短期的には健康に良いが、約1週間後では悪影響を及ぼすことがわかりました。

これらの結果は、ケトン食が限られた期間においては、糖尿病リスクと炎症を低下させることにより、ヒトの健康を改善する可能性があることを示しています。

また、ヒトでの臨床試験に向けた重要な第一歩でもあります。

このケトジェニックダイエットは、グウィネス・パルトロー、レブロン・ジェームズ、キム・カーダシアンなどの著名人が減量法として大々的に宣伝しているため、一般人の間で人気が高まっています。

『Nature Metabolism』1月20日号に掲載されたイェール大学の研究で、研究者らは、食事のプラス効果とマイナス効果の両方で、糖尿病のリスクと炎症を低下させる「組織保護細胞」、γδT細胞(ガンマデルタT細胞)と呼ばれる「免疫細胞」に関係していることを発見しました。

筆頭著者であるイェール大学医学部のVishwa Deep Dixit(ヴィシュワ・ディープ・ディキシット)氏によると、ケトン食は、食事に含まれる炭水化物が少ないため、血糖値が下がると、体は飢餓状態にあるかのようにふるまい、炭水化物の代わりに脂肪を燃焼し始めるそうです。

この過程で、ケトン体とよばれる化学物質が代替燃料として生成されます。

その後、体がケトン体を燃やすと、組織を保護するガンマデルタT細胞が全身に広がるというわけです。

このケトンが代謝される状態は、糖尿病のリスクと炎症を減らし、体の代謝を改善することが確認されています。

実際、ケトジェニックダイエットを1週間続けると、マウスは血糖値の低下と炎症を示していました。

しかし、身体が強制的に糖質を抑えた、「実際には飢えていない」状態にある場合、脂肪の蓄積と脂肪の分解が同時に起こっていることがわかりました。

Dixit氏によると、マウスが高脂肪、低炭水化物の食事を1週間以上続けた場合、燃焼できる量を超えて脂肪を摂取し、糖尿病や肥満を発症するそうです。

そして、脂肪中で免疫機能を持つ、ガンマデルタT細胞を失っていました。

ヒトにおける長期の臨床試験は、ケトン食の健康効果に関する「逸話的主張」を検証するため、依然として必要でしょう。

「ケトン食が採用される前に、代謝や免疫学的利益の背後にあるメカニズム、過体重および糖尿病患者に対する潜在的な害を理解するため、管理された条件下での大規模臨床試験が必要である」とDixit氏は主張しています。

米疾病管理センターによると、アメリカでは約8400万人の成人が糖尿病にかかっており、2型糖尿病、心臓病、脳卒中を発症するリスクが高いといいます。

この病気を患う人の90%以上は、自分がかかっていることを知らないらしい…

今回の研究結果により、ケトジェニックダイエットで維持される体のメカニズムや、なぜケトン食が限られた期間でのみ健康に良いのかについて、研究者たちはより理解できるようになりました。

「我々の発見は、代謝と免疫系との間の相互作用、および健康な組織機能の維持をどのように調整するか強調している」と、ケトン食がマウスのガンマデルタT細胞拡大に寄与したことを発見した、研究員であるEmily Goldberg(エミリー・ゴールドバーグ)氏は言います。

Dixit氏は、人間の健康に有益な食事法が今後の研究の対象になるのであれば、ケト食は少量の方が良いことを発見したのは朗報であるとし、「いつまでもダイエットしたい人などいるのだろうか?」と語っています。

本研究は、米国国立衛生研究所からの助成金を一部受けて実施されました。

参照:sciencedaily

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