先日、知人に渡され『板谷バカ三代』という、マジでヤベぇ本に出会った。

タイトル通りなのだが、バカな本である。

なんと言っても、まず帯がスゴい。

自宅を火炎放射器で全焼させたお父さんが出てくるくらい面白い本です。実話らしいです。

吉田智之(書籍の契約書担当者)

ん…????????

という感じだが、これは本書内に出てくるのでお楽しみに。

板谷家という東京都立川にある家族の物語で、ゲッツ板谷さんというライターが自分の家族について記している。全て事実が書かれたものであり、フィクションではない。

本当に笑えると共に、家族の温かさみたいなモノも感じたので紹介したいと思う。

登場人物

  • バアさん
  • ケンちゃん
  • セージ
  • ベッチョ
  • 秀吉
  • その他知人

まず、バアさん。バアさんは、板谷家のばあちゃんだ。バアさんは、鬼のような見栄っ張り、食に対してアナーキー、そして衰えしらずの体力という特徴がある。

二代目のケンちゃんはバアさんの息子、すなわちゲッツ板谷さんの父親である。気が遠くなるほど真面目で、体力を無駄にアピールし、他人に対して半端じゃないお調子者だ。

セージはゲッツ板谷さんの弟。特徴は、とにかく馬鹿らしい。それ以外に特徴がないくらい、バカらしい。

ベッチョはセージの友達。セージと並ぶかそれ以上のバカらしい。

秀吉は、バナナの揚げ物をいれた雑煮しか作れない、70歳を超える老婆の家政婦。

その他知人も出てくるのだが、総じて頭が吹っ飛んでいる。

本を開くと、ケンちゃんがベンチプレスの台でおもちゃを持った写真、駄菓子に毎月7万円を使うというセージの写真が出てくる。

ヤベぇ本だという事に、早速気づけるわけだ。

板谷バカ三代
ケンしゃんとセージの紹介

ヤベぇ出来事を紹介

本書で書かれている出来事は章ごとに分けられているのだが、各章をかいつまんで紹介したい。きっと、読みたくなるはず。

真打ち、いきなり発射

まず、ケンちゃんは18歳のときから60歳の定年退職まで無遅刻無欠席、有給は一切使わない、朝の始業が8時半なのに6時半には会社についているという気が遠くなるほどの真面目だ。そんなケンちゃんは、とにかく「年齢の割には体力をガムシャラにアピールする」のが特徴らしい。そのため、近所の人が近くを通るとバットをスイングし、すごいですねと言われるまで続ける。また、「他人に対して半端じゃないお調子者」なので、家族の知人などが来ると意味もなく手刀でダルマを真っ二つにしたり、煮えたぎる鍋にあえてレンゲを落とし素手に拾ったりする。

燃やし屋ケンちゃん

ある日板谷家の母屋が火事になった。火事の最中、ケンちゃんは水道のホースを口にくわえて真っ赤な顔をしていたようだ。その後、ケンちゃんは火事の対処の仕方が分からず家の中にあったカステラを持ってきたり、枝切りバサミを使い燃えている家の中からラッコのぬいぐるみをUFOキャッチャーのようにゲットするバアさん、近くにあったバールをいい気になるなと叫び投げ込むケンちゃん、念仏を唱えながら外壁を濡れ雑巾で磨くバアさん。

こういった行動の甲斐もなく、母屋は全焼した。

出火原因を探った所、10日前に雑草を燃やすため火炎放射器をケンちゃんが購入していたことにゲッツ板谷さんは気づいたそうだ。冬の乾燥した日に、ケンちゃんが雑草と誤り火炎放射器で家を燃やしたのである。

お調子者のバアさんは、家はボロボロだったけど中には億という家財が入っていたと見栄を張っていたよう。ケンちゃんはもう一回燃やしたら片付けが楽になると言う。半端じゃないお調子者と見栄っ張りだ。

その夜セージは帰ってきたのだが、セージは家が燃えて無くなったことに気づかず、ケンちゃんはその夜「火の用心」といって近所を回り始めたらしい。

お祭りケンちゃん

お調子者のケンちゃんはお祭りが好きだ。町の忘年会でロボットダンスをすることになったらしいのがだ、練習中どうしてもうまく出来ずカクンカクンのやりすぎでゲロを吐いた。本番の日、ケンちゃんは救急車で運ばれたのだが、その理由はカクンカクンがうまく出来ず自分を戒めるため日本酒を酒樽ごと一気飲みし、無事にぶっ倒れたらしい。

また、ケンちゃんは自転車に乗って近所の見回りをしており、若いゲッツ板谷さんはその時暴走族に入っていた。ある日族の仲間で立川からバイクで新宿まで走ることになったのだが、出発する前にケンちゃんが現れた。暴走行為はやめろと突っ込んできたのだが、族のトップがケンちゃんを気に入り、なぜか一緒に新宿まで暴走し始めたらしい。その日を境に、ゲッツ板谷さんは暴走族から抜けたそうだ。

ふりかけバアさん

ゲッツ板谷さんはフリーライターなのだが、バアさんはフリーライターという職業が理解できず、また見栄っ張りなので知人に話す時家族の職業を盛る。ゲッツ板谷さんはなぜか政治家の秘書、妹は料理学校の校長(本当はただの講師)、セージはパリで冷蔵庫を売っていることになっているらしい。そんなことを、なぜかオフクロのパンストをかぶりながら話す。

バアさんはパンストの足の部分を切り、結んで帽子にしているのだ。要するに、つるっぱげのバアさんが脳天にタケコプターをつけているようにしか見えない。

バアさんは食に対してアナーキーだと登場人物紹介で書いたが、1日はコンフレークに養命酒をかけた朝食ではじまる。その後、午後になると車海老や鯛の切り身を買ってきて、なぜかフリカケにしてしまうそうだ。そんなバアさんは、サイ牛となずけたサイダーと牛乳を混ぜたものを知人に出すのだが、ゲッツ板谷さんが真面目にやめてくれと注意したところ、牛ダーに変えて出してきたらしい。

またバアさんは、ゲッツ板谷さんの妹が新しいビデオデッキを買った時にも事件を引き起こした。テレビにつないでもテープが入らず原因を探った所、中から食パンは2枚出てきたのだ。バアさんは、新型のトースターだと勘違いしていた。

ほかにも、恐怖のコロッケをバアさんは得意だと思って作るが、それが頭蓋骨にヒビが入るほど不味いらしい。中身はジャガイモ、シラス、ニラ、りんご、春雨などで、1度に100個ほど作る。恐怖のコロッケを食べないとバアさんは「早く死んじまった方が良いんだ」といじけるので、板谷家は頑張って4〜5日もクソ不味いコロッケを続けて食べるらしい。

タフっこバアさん

また、バアさんは信じられないくらいタフだ。89歳にもなるのに、6〜7キロ離れた親戚の家まで平気で歩いて往復し、体長が1.5mもある犬を連れ出すと犬のほうが先にバテているらしい。15キロも離れた場所まで散歩に連れ出した時、犬は吐いていたがバアさんは余裕の表情だった。ただ、姿勢が変なのでよく見てみると、肩が脱臼していたようだ。

体力が異常なので、1日4〜5時間も柄が取れたボロボロの包丁で根元からほじくり切るように草むしりをする。

らびっとセージ

セージはひたすらバカだという。7歳の時、妹のカナリアをシャンプーで洗い殺しているほか、10歳の時、親戚の結婚式で新婦に花束を渡したセージに新郎が将来何になりたいか聞いたときは、真面目な顔で馬と答えている。

高校受験の時、英語の試験でヒアリングが何か分からなかったらしい。ただ、実際にはヒアリングはなく、セージは余裕の表情で帰宅してきた。試験の1問目はラビットの意味を回答する問題だった。セージはラビットとウズラと訳し、ガールを小女と回答。英語の試験は0点だった。

ある日、ベッチョとセージが喧嘩をしていた。ベッチョは東京都で一番偏差値の低い高校を補欠5番目で合格。その高校は補欠を5人までしか出していなかったので、セージがベッチョは東京で一番バカだと言ったところ、喧嘩になったらしい。

この喧嘩の半月後、セージは二次募集で合格した高校の正門の目の前をタバコを吸いながらくぐって停学。ベッチョはいきなり無免バイクで通って、その日に退学だ。

りべんじセージ

高校3年生になったセージは、ベッチョとともに伊豆の海へ出かけた。他、俊太・龍太という双子も同行している。セージとベッチョは地元でも評判のウルトラバカで、俊太・龍太は立川で一番頭の悪い双子である。

2年前、セージは同じように伊豆にある民宿に泊まっていた。この民宿は安い割に食事もいいと評判だったらしい。だが、この民宿の実態はお湯が出ず、夕食は冷凍の刺し身3切れとお新香だけ。カラオケマシーンは1時間2万円だ。

ということでセージは民宿の復讐に向かったのだ。ところが、全員バカなので例の民宿の場所が分からない。海辺の町を3時間彷徨ったあげく、ようやく例の民宿をセージ達は見つけた。

宿泊の手続きを済ませた2分後、まず俊太が湯船でウンコをした。民宿はパニックになり、主人に問われた俊太は、お湯が出ないからお尻がびっくりしてウンコを出しちゃったと回答。次の襲撃はベッチョで、夕食を取りに行くので船を出してくださいと、永遠と言い続けた。トドメはセージと龍太。1時間2万円するカラオケマシーンを平気で借り、夜になっても「ビバ結婚」という歌をエンドレスで歌い、怒鳴り込んできた主人に忙しいから辞められないと言って続けた。

民宿はカラオケマシーンの使用量を無料にしてくれただけでなく、これ以上歌わないという約束で2万円をくれたそうだ。翌日、セージ達はスーパーでポカリスエットを2万円分購入し4等分。それを仲良く4人で分けたのだ。彼らは現金で分ける頭がなかったらしい。

所長になったセージ

なんとか高校を卒業したセージは奇跡的に短大の試験をパスした。そしてなんと短大を卒業を間近にしたとき、志望先は貿易会社の社長だった。何もわからないのに、就職先が貿易会社の社長だという。結果無理なので運送会社に入社したが、トラックが青じゃないからという理由で半年後には辞めている。

運送会社を転々としていたセージは、自動車メーカーの下請けに入り、いつの間にか所長を任命された。

所長になって少ししたセージは、高速道路で事故った。公衆電話を探すためセージは出かけたのだが、2時間も帰ってこなかった。JAFから現場に行くまで2時間かかると言われたので、カラオケBOXで2時間歌っていたのが原因だったらしい。

10日後、セージはクビになった。

優しいモンスター、ブカのおじさん

ケンちゃん、バアさん、セージの脇を固める強力なバカ、それが身長185センチ、体重120キロもある巨漢であるブカのおじさんだ。ブカのおじさんは、いつも限りなく優しく、タフで、純粋さが溢れる正真正銘のバカである。

ブカのおじさんはケンちゃんの弟なのだが、中学生のときトラックに跳ね飛ばされた際、硬直している運転手に向かって、大丈夫ですか?と声をかけたらしい。

ほか、キャンプ場近くの川で足を滑らせたときには、溺れながら子供達にウインクをしていたという。

他にもある。

用務員になったブカのおじさんは、ボイラーの下敷きになった事故にあった。この時、第一発見者のおばちゃんに何度もウインクを送っている。

この事故が原因かは定かでないが、肝機能がおかしくなり小便が出なくなったブカのおじさんは入院した。両足がパンパンに膨れ、長期入院にならざるを得なかったときも、見舞いにいったケンちゃんとゲッツ板谷さんをもてなすためコンビニにアイスクリームを買いに行って看護師に怒られている。このとき、ブカのおじさんは車椅子を使わなければイケないレベルの重症だった。そして、アイスクリームにスプーンが付いていなかったのだが、スプーンを取りに再びコンビニに行ってしまったのである。

白い悪魔、秀吉

すごいバカで囲まれた板谷家に、強烈なアトラクションが加わった。ある朝、ゲッツ板谷さんが居間に行くと、見知らぬ老女が当たり前のような顔をしてコタツに入っていたという。

その老女はバアさんの妹の友達とかで、名前が秀吉いい、週に3日ほど家政婦として来ることになった。なぜババアの名前は秀吉なのか、というインパクトもさることながら、料理が雑煮しか作れない秀吉はバナナの揚げ物をしこたま入れる。誰も食えない食べ物が週に3日食卓に並ぶこととなった。

半月後には、秀吉の出勤日になると家族全員が外食に出るようになった。

秀吉は人の部屋へ勝手に入ってくる習性もあり、ケンちゃんのYシャツには「じろう」という下手くそな刺繍が施されていたこともある。

セージも被害者で、秀吉に驚き逃走した際、無我夢中で窓に向かってダイブし骨折することになった。そんなセージの松葉杖に、秀吉は勝手に般若の顔を彫っている。

さすがにしびれを切らした板谷家は秀吉に出ていってもらうことにしたはずが、いつ間にか布団などを持ち込み板谷家内に自宅を作ってしまったという。

んで、深夜になると秀吉は歌い始めるらしい。

巻き込まれ型王子、ベッチョ

セージの友達であるベッチョは、どこか人の良さを感じさせるバカだ。

パチンコの新台にならび、運良く席につけたベッチョはなぜか唸っていた。よく見ると、足が本来の反対側を向いていた。そんな状況でもベッチョはもったいないからとパチンコを打ち続け、大当たりを引いた後無事に救急車へ運ばれた。膝を複雑骨折していた。ベッチョが引いた大当たりのお金を使い、一個5000円もするメロンをゲッツ板谷さんとセージが持っていった所、わざわざすみませんと頭を下げていたらしい。

その半月後、またパチンコに並んでいたゲッツ板谷さん、セージ、ベッチョ。横入りしてきたオッサンとセージが喧嘩になり、もつれ合いながら弁当屋に突っ込んだ。と、喧嘩していた男が突然ピョンピョンと跳ね出した。原因は、ベッチョが弁当屋にあったエビフライをオッサンの背中に入れたからだ。そのまま3人は警察署に連行され、60万円ずつ弁当屋の修理代を弁償させられることになった。そう、ベッチョはエビフライを背中にいれただけで60万円払うはめになった。

板谷家のフツーの一日

ある日の朝、なぜか残り湯に60センチクラスの黒い鯉が泳いでいたらしい。突然のことに驚くゲッツ板谷さんは居間にいくと、秀吉とは違う意味の分からない事をずっといっているババアがいた。ますます頭が混乱したところ、セージから電話がかかってきた。内容は、めちゃ楽な仕事して8126円のバイト代もらわないかという電話だったという。

朝からエベぇことが続く板谷家。40分後、北村という体重が150キロくらいありそうな男が迎えにきた。お前がセージの知人か、と尋ねたところ、「ムスっ!」と返事をしたらしい。八王子の山奥にある工事現場で降ろされ、何をするかと北村に聞くと、ただぼーっとしていればいいという。幾度か「バンボーネ」という謎単語をつぶやいた後、山奥の現場で北村は爆睡した。

結局家に帰ったのは夜0時を過ぎ、北村は1000円札7枚と500円をゲッツ板谷さんに渡してきた。8126円には足らないのだが、あとは切手でと言い、石原裕次郎が書かれた切手を渡してきたらしい。わけが分からない。

爺さん死ぬ

37〜38度の熱が下がらなくなった爺さんは、地元の病院へ入院することになった。原因が分からず都内の大学病因に移したものの、原因は分からぬまま半年がたち、ついに危篤状態になった。ゲッツ板谷さんは家にいたケンちゃんとバアさんを車に載せ、急いで病院へ向かう。3人が病院に付く前、爺さんは息を引き取った。

あえてケンちゃんには言わぬままにしておいたらしいのだが、それは途中で寄ったコンビニで購入したクリームソーダを飲みご機嫌だったからだ。さすがに病院へ付く前のほうが良いと思い、爺さんの死を伝えた。2時間後、ケンちゃんは車内でガサゴソしだした。渋滞で混んでおり、小便を我慢できなかったのだ。ペットボトルにチンポコをつけようとしていた。15分後車を脇に止めると、勢いよく飛び出たケンちゃんの後へバアさんも続き、2人ならんで小便をし始めた。人生で一番迫力のあった連れションだったという。

ケン&ブカの解決法

8ヶ月前に運送会社をやめたセージは自宅でゴロゴロしていたのだが、仲間が溜まってワイワイするようになった。うるさい時は概ねマリファナを吸っている。

我慢できなくなったケンちゃんは、突然起き上がりセージの所へ向かうのかと思った所、なぜか外出。ビー玉を2万円分買ってきた。ケンちゃんは、糞して寝るだけは金魚だ、金魚鉢にはビー玉が敷いてあるからだと言う。そして、部屋へ2万円分のビー玉を撒いた。バアさんは、水草に見立ててホウレンソウを投げ込んだらしい。

ゲッツ板谷さんは呆れてセージの部屋のものを外に出した。少しして、庭でフリーマーケットでもやっているの?とブカのおじさんが訪れた。

ブカのおじさんの感覚がよくわからないが、その時なぜか半身が泥だらけで首の付け根からアンテナのようなものが伸びていたらしい。小枝が首に刺さっていたのだ。ブカのおじさんは板谷家に訪れる際必ずソバを買ってくるのだが、ライトバンに跳ねられ首に小枝が刺さった状態でもスーパーでソバを買い、何事もなく家に来たわけ。やばい。

壊し屋ケンちゃん

妹の彼氏が板谷家に来ることになった日、妹とオフクロは万全の手はずを整えていた。彼氏は大手商社に務めるエリートだったからだ。

まず、泥棒のせいにしてバアさんのコロッケを全て捨て、サンリオピューロランドに王監督が来ると嘘をついてベッチョとセージを外出させ、ケンちゃんが暴れないよう酒を全てしまっておいた。

立派な青年を家に迎えた直後、ケンちゃんは調子にのりオヤジギャグを連発し始めた。相手が合わせて笑ってくるおかげでゾーンに入り、いつの間にか上裸になっていたそう。ケンちゃんはこの日のために隠しておいた一升瓶を飲み干し、暴れだした。流石にやばくなった時、セージが帰ってきて怒っている。修羅場だ。セージとケンちゃんが取っ組み合いを始めた。

彼氏は帰り、3年間付き合った関係に終止符が打たれた。

板谷家のクリスマス

板谷家では、イブに必ずミニクリスマス会を行うという法律があるらしい。近所のパン屋にケーキを注文し、1本200円くらいのシャンパンで乾杯する。必ずケーキは残るだが、これをバアサンはゲッツ板谷さんに押し付ける。これを見たケンちゃんが、「こうしてさらに豚になっていくのであった」と言い、家族で笑うのを毎年繰り返す。つまり、毎年同じシナリオで同じ言葉を言い、同じように家族で笑うらしい。

このクリスマスの儀式に参加しないと、オフクロさんは怒る。

秀吉がきたクリスマスは、ケーキが余らなかった。化け物みたいな老婆の食欲を呆然と見つめる一家。秀吉がいたことで、調子が狂っている。

妹の机のうえにプレゼント(細い箱)があったらしく、板谷家の誰も思い当たらないという。そう、秀吉が送っていたのだ。意外と良い人だと関心していた一家は、プレゼントの中身を開けてみた。

中身は鰹節で、しかも板谷家のだったらしい。

ごめんなさい、ナベサダさん

クラシックミュージシャンとして有名な渡邉貞夫さんのディナーショーへ招待されたゲッツ板谷さんは、他に行く人がいなかったのでセージを誘った。

周りがブレザーやドレスで決めているなか、セージはタンクトップと短パンで来たらしい。タンクトップには、妙にリアルなハブとマングースが戦っている柄が描かれていた。

エスニックな雰囲気に煽られたセージはタンクトップを脱ぎ始めた。バカはお祭り気分になると裸になりたがる。

記念Tシャツを買うことにした2人は列に並んだのだが、足を踏まれたとかで、前のオヤジにセージがモモカンを入れ始めた。怒って叫び始めたセージは、ナベサダさんに声を変えられた途端良い気になり、ニコニコし始めた。サインをしている偉そうな人にお願いされたことで自分も大物になった気分らしい。

オフクロ大ピンチ

肺がんの可能性があると診断されたオフクロ。大きなショックを受けたのだが、ケンちゃんはオフクロのいる前でもタバコを吸っていた。

10時までには帰ってくる約束でそのまま町内会の飲み会に出かけたが、夜中の2時を過ぎても帰ってこないケンちゃん。ケンちゃんは泥酔すると外で寝てしまうので、オフクロは凍死していないか心配でゲッツ板谷さんの元に来た。

玄関から突然大きな音がしたので見てみると、ケンちゃんが這い上がろうとしていた。

この20年前、ケンちゃんは肝臓に疾患のあるオフクロの兄と居酒屋で酒盛りを始め、そのままオフクロ兄はぶっ倒れて死んだ。で、その隣でケンちゃんはイビキをかいて寝ていたそうだ。

つまり、ストップボタンがぶっ壊れている。肺がんを患う妻を心配させる男なのだ。オフクロはガン細胞摘出手術を受け、3ヶ月後には職場に復帰。バカが心配で死ねなかった。

桃レンジャーと巨大イソギンチャク(前編)

セージがケンちゃんの車を借りて鍵をなくしたので、ケンちゃんは会社の出社に間に合うか際どかった。無遅刻無欠席の大記録が途切れそうになっているのだ。電車やバスでは間に合わないため、ケンちゃんは賭けに出てセージの原付きを借りることにした。

が、いくつか問題があり、セージの原付はエンジンがチューニングされ、マフラーは直管、全体がピンクに塗装され、荷台には国旗が取り付けてあるのである。

そして、弓子命という文字がデカデカと入ったショッキングのヘルメットをかぶり、ウィリーしながら出社していった。

その姿は、気の狂った桃レンジャーにしか見えなかったそうだ。

その日の午後、体重が90キロ近くありそうなデブで、金にブリーチされたアフロパーマの巨大なイソギンチャクみたいな少女が板谷家前にいたらしい。

セージを呼んでいたので、物凄いのが来ているとセージに伝えたところ、なんとベッチョがキスをした子だったらしい。イソギンチャクの要求はベッチョの家を教えてほしいという単純なものだった。

教えられないと回答すると、車をあげるから教えてと言われたよう。ベッチョは退学してプラプラしていたので板谷家にいた。てことで、ベッチョをイソギンチャクに売ったのだ。

その日、ブカのおじさんが板谷家の飼っていたラッキーという犬が轢かれたと伝えに来た。ラッキーが動物病院に運ばれたと聞いて、セージはぶっ殺すとかなり怒り狂う。が、ブカのおじさんは謝っておいたから大丈夫だと言う。なぜ謝るのか。。

桃レンジャーと巨大イソギンチャク(後編)

「ぎ。。。ぎゅううううう!すんづぼっ、先生ごだあああああああああっ」

と動物病院についた途端バアさんは一声を発したそうだ。ぐったりしていたラッキーは、亡くなってしまった。「毎日マグロのいい所だけを食べさせていた」とバアさんは医者に見栄を張り、「ヘボっ!ヘボっ!ヘボっ!ヘボっ!」とセージは叫ぶ。「許せねえ、首の骨をずらしてやりてえ」とブカのおじさん。住所も聞かずに謝ったのはブカのおじさんだ。

ラッキーを自宅に埋葬し少し落ち着いたところ、爺さんが締めの一言として「この犬はアンラッキーだったな」と言い、セージは爺さんに殴りかかろうとしていた。

夜になり桃レンジャーは帰ってきたのだが、よく見ると上唇が膨れ上がっていた。原付の音がうるさすぎてパトカーに追いかけられるハメになったようで、捕まると会社に遅刻してしまうので脇道へ逃げ込んだとき、人の家へ突っ込み前歯2本折ったらしい。

始業の2分前には間に合い、片道20キロの帰り道を原付きを押して帰ってきたのだ。

ラッキーの死を伝えたところ、第一声は「よく飛んだの?」だった。

結婚式で大爆発

ブカのおじさんの次女ナオミが結婚することになったのだが、どうも胡散臭かった。

結婚式当日、相手方は300人以上集まり、教授や弁護士、省庁の人、政治家なんかがいた。一方、板谷家側は頭数を適当に揃えた結果、元ヤクザとかプータローとか自宅を全焼させたとか、そういった人たちになっていた。セージは従兄弟という言葉を知らず兄と答え、親戚の多くがセージに続いて兄と答えたので、ナオミは14人兄弟ということになっていた。

挨拶で先方の話が長すぎたため、板谷家からは「つまんねえ」「裸のネエちゃんはまだか」と言う声が上がり荒れ始め、結婚式は無茶苦茶になった。セージらは新郎の父親から訴訟されという。

蓋を開けると、後継ぎで大変な不動産屋が結婚させようとしていたことだった。無事に、板谷家のバカさが結婚をぶっ壊してくれて助かった。

激マブ女子高生に舞い上がる板谷家

オフクロには一人親友がいて、その親友の娘が受験のため板谷家に泊まることになった。その娘さんが、鈴木京香をそのまま女子高生にしたような美女だったのだ。

ケンちゃんが調子に乗るもの当然である。訳のわからない事を言い続け、ケンちゃんの独壇場になった。

ケンちゃんは突然高校の卒アルを持ってきて自慢し始めた。ドブ丸というあだ名をみて爆笑し始めたセージとケンちゃんは取っ組み合いになり、そのまま娘さんは帰っていった。

受験は失敗したらしく、オフクロの親友は二度と板谷家に来なくなった。

イヤーな1日

千葉へ海水浴に出かけたセージとベッチョだが、セージは片手に20センチ以上もある貝を握っており、ベッチョは右耳に腕時計を巻きつけていた。

そう、ベッチョは寝坊しないよう耳にアラームではなく腕時計を巻きつけていた。が、外すのを忘れたまま千葉から立川まで電車に乗っていたのである。

この夜、ゲッツ板谷さんは絡まれた薬物中毒者を倒していたせいで、同級生の女の子にフラれている。

また、ゲッツ板谷さんは自宅で熱帯魚を飼っていたのだが、セージが水槽にデカい貝を入れたせいで全て死んでいたそう。

立川では、こういったことが日常らしい。

ドタバタ免停講習

駐車違反で切符を切られたゲッツ板谷さんとセージ。その3日後、小便を我慢できず猛スピードで走っていたケンちゃんも切符を切られ、親子仲良く免停講習へ行くことになったそう。

普通に行くわけもない。ケンちゃんはパジャマで講習へ向かい、200円しか持ってこず講習代が足りないセージ。

明らかにヤバい親子をターゲットにした教官。セージが講習にいたパンチパーマの若者と喧嘩になる。喧嘩を止めに入ったケンちゃんのパジャマはボロボロになり、乳首が丸出しになってしまった。

教官に汚い乳首をしまえと怒られたところ、ケンちゃんはお前の乳首はキレイなピンク色なのかと反撃。お前の乳首がキレイなピンク色なら謝ってやると喧嘩を始めた。

その後、別の教官の授業になったのだが、ねばっこちゃん、という口癖に爆笑しこらえ切れず、ケンちゃんは免停講習を強制退場になった。最後に小テストをすることになるのだが、内容は至って普通のことしか出ないので不合格者は通常出ない。小テストの結果、セージ以外は全員合格した。

講習から帰る際、差し歯が無いと騒いでいたケンちゃん。なんと、ハンドルに差し歯が刺さっていた。

アメリカン・ドリーム

ロサンゼルスにいる知人の元を訪れたセージは、ジャネット・ジャクソンのCDを買った後、黒人に喧嘩を売られた。いつの間にか、鳩尾に一発良いのが入った。セージは反射的に相手の黒人にヘッドバットを食らわし、アメリカのゲットーにいる黒人に「テメーら何中だ」と叫んでいたよう。やばくなった所で、偶然通りかかった警察に保護された。警察署に連行され、紙コップを渡されたセージ。要するに、スラム街の黒人にシラフで喧嘩をふっかける日本人がいるはずないので、薬物検査を受けることになったのだ。

コップに溢れんばかりの小便を入れたら警官に首を振られたので、悩み抜いた末今度はウンコを2本入れて警官の所に持っていった。少しで良いよという意味だったのに。深夜になってようやく開放されたセージは友人の自宅に戻ろうとしたのだが、道がわからず彷徨う。友人宅を発見した際には空港へ向かう時刻になっており、日本へ帰ることとなった。

セージの初めてのロス旅行は、ジャネット・ジャクソンのCDを1枚買い、黒人にヘッドバットを食らわせ、警察所でウンコして終わった。

半年後に2度目のロサンゼルスへ向かったセージは、ラスベガスのカジノで有り金を全部使い帰れなくなった。

セージの友人の友人であるダンが、わざわざロスからベガスまでセージ達を助けるため来てくれたので一先ず助かった。

借りた金を返すため、セージ達はアメリカでもバカをやることになる。

まとめ

久しぶりに、本を読んでめっちゃくちゃ笑った。

というのも、書き手のゲッツ板谷さんが家族をバカにするのでは無く、どこかに愛を感じさせるからだ。人をバカにする嫌な感じは無いのが良い。

本に出てくる事は全て事実であるというのがすごいなと思う。

本では写真も出てくるし、描写が詳細に書かれているので、是非読んでほしい。マジで、笑える。

本記事では、板谷家の近所にある地元でも有名なヤバい一家との抗争秀吉の秘密には触れていない。うまい具合に要約出来なかったからである。

つまり、読んで欲しい。

Kindle版は563円と安価だ。また、残念ながら2006年に亡くなってしまったが、板谷家を支えてきたオフクロが残していた日記について書かれた『とことん板谷バカ三代 オフクロが遺した日記篇』なども読んでみたいと思う。

>> ゲッツ板谷の著書一覧

この本を貸してくれた知人とは、板谷家の話で盛り上がっている。