「ASMR」は本物なのか、エセ科学なのか?【癖になるゾリゾリ感の正体】

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ささやき声、紙をクシャクシャする音、指の爪をたたく音に共通することは何でしょうか。

また、せっけんが優しく切断されている光景や本をめくる手の動きはどうでしょう。

Autonomous Sensory Meridian Response(自律感覚絶頂反応、略してASMR)を経験した人であれば、これら一見普通の音や光景をASMR体験の「トリガー」として認識することができます。

何を言っているのかわからなくても、大丈夫です。

少し脱線しますが、僕、背中がゾリゾリすることから、ガリガリ君を食べられないんですね。

多分ASMRとは違いますが、分かる人いるんじゃないかと思います。

ASMR体験とは何か

頭皮から始まり、首や背骨を伝わっていく、心地よい、ゾワゾワする感覚とされています。

Wikipediaによると、ASMRがインターネットの世界に突然登場したのは2007年で、「okaywhatever」というユーザー名の女性が、健康に関するオンラインフォーラムで、ASMR体験について発信したときとのこと。

当時、この奇妙な現象に名前はありませんでした。

しかし、2010年にJennifer Allen(ジェニファー・アレン)という人物が「ASMR」と名づけたことをキッカケに、インターネット上でセンセーションを巻き起こしています。

2019年4月のNew York Timesの記事によると、今日では世界中で何百人ものYouTuberが、毎日200本以上、ASMRトリガーのビデオを投稿しています。

ASMR YouTuberの中には、銀行口座の残高が膨れ上がったり、何百万人ものファンができたり、路上で引き止められるほどの名声を持った、本物の有名人になっている人物もいます。

そこで、議論が起こります。

このASMR体験は、『本物』なのか『想像上の感覚』なのかを疑う人もいるわけです。

この現象は、他人と交流せず、見知らぬ人の化粧風景を見て親密感を抱く、Z世代特有の孤独感の表れだと指摘する人もいます。

さて、ASMRは本物なのでしょうか。

心理学者であるJade Wu氏の、ASMRに関する見解を見ていきましょう。

What is ASMR?

ASMRは本物か

端的に言えば、「Yes」のようです。

2018年のある研究では、ASMRビデオを見ているときの被験者の生理的反応を記録しました。

ASMRを経験したと自己申告した人と、経験しなかった人の間には明らかな違いがあったようです。

ASMR群は、心拍数の減少と皮膚コンダクタンスの増加を経験しました。つまり、わずかな発汗の増加を意味します。

これは非常に興味深いパターンで、ASMRの経験が「鎮静(心拍数の減少)」と「覚醒(皮膚コンダクタンスの増加)」の両方であることを示しているからです。

したがって、ASMRは、単なるリラックスとは異なる体験であり、性的興奮や曲を聞いたときに起こる、悪寒ともまた異なる感覚であるということです。

また、ダートマス大学の研究は、MRIを用いて、ASMRを経験した人が誘発するビデオを見たとき、脳内で何が起こるかを記録しました。

研究者は、霊長類の中でも特に、自己認識、社会情報処理、グルーミングなど社会的行動に関連する、内側の前頭前皮質が活性化している事を発見しました。

報酬と覚醒に関連する脳領域の活性化もあったようです。

研究者によると、このパターンは、ASMRが社会的な関わりや絆を反映すると推測しています。

猿が互いに毛づくろいをしているビデオを見たことがある人なら、この意味がよくわかると思います。

毛づくろいをされている猿の顔、とても気持ちよさそうですよね?

ニホンザルのグルーミング 地獄谷野猿公苑

脳の画像を用いた研究の問題は、非ASMR比較グループが存在しなかったことです。

また、研究者が使用したASMRビデオを見た人は、誰でも同じような反応を示す可能性があります。

しかし、これはさらなる研究が必要であることを意味しているだけです。

ASMR体験をすることの意味は

ASMRを体験する人は、他の人と違うのでしょうか。

2017年の研究では、自己申告したASMR体験者約300人と、そうでない人を比較しました。

研究の参加者は、確立された人格目録に関する質問に回答し、当然のことながら、ASMRの参加者は同僚よりも『Openness-to-Experience(経験への開放性)』のスコアが高くありました。

しかし、不安や否定的な感情に陥りやすい一般的な特性である、神経症傾向のスコアも高かったようです。

また、ASMR参加者は、良心性、極端性、同意性が低いレベルにありました。

別の最近の研究は、マインドフルネスに関して、ASMR郡と非ASMR郡を比較しました。

マインドフルネスとは、今この場にいることです。

自己申告によると、ASMRの人は、一般的に日常生活で思慮深く、特に好奇心旺盛であったようです。

もちろんこれは、ASMRを経験したからといって、そうでない友人よりも思慮深いということではありません。

これらの調査結果は、平均的に見て、ASMRの人の大部分が、奇妙な新しい食べ物に興味を持ち、それを試してみたいと思ったり、心をこめて食べる傾向があることを示唆しているだけです。

ASMRが自然に発生しない場合も体験できるのか

何とも言えません。

一生懸命努力したからといって、ASMRへ良好な反応を示すという研究はないからです。

これは、必ずしも実現不可能だという意味ではありませんが、残念ながら可能性は低いようです。

1つには、ASMRは不随意の生理的反応という点です。

ASMRを体験しようとすることは、夢中になる気持ちを作り出そうとすることと似ています。

自然に体が反応する現象を、意図的に作り出すのは難しいですよね?

また、ASMRは共感覚のような、他の学習不可能な知覚現象と類似しています。

共感覚とは、ある意味で刺激を受けることが別の意味での体験を誘発するように、人がクロストークを感じる体験のことです。

たとえば、文字を読むときに特定の色を発見したり、モノへ触れるときに味を感じたりするものです。

学ぶことはできません。

一部の研究者は、ASMRは実際には共感覚の一形態であるか、少なくとも何らかの関連があると示唆しています。

仮にそうであれば、ASMR体験は学べるものではないかもしれません。

ASMRを経験したことがないと思われる場合や、経験しているかどうかわからない場合、テストすることができます。

これを行う最も簡単な方法は、YouTubeの動画を見てみることです。

「ASMR」と検索すれば、膨大なトリガーを提供する、何千もの動画があります。最適なトリガーを得るために、最も人気のチャンネルから、一通り音を聞いてみてください。

一つ注意すべき点は、本物のASMR体験は、性的体験でないということです。

もし、性的な刺激を求めるようなビデオに出くわしたら、それはASMRはないかもしれないということを知っておきましょう。

ただし、僕の知人で「脳イキ」を仕事にしている人がいます。

脳イキは、触れられることなくオーガズムへ達する体験のことですが、ASMRとは別の分野なのでしょう。

完全にカスタマイズされたASMR体験を手に入れたいと考えていて、多少なお金があるのなら、Whisperlodgeのようなサービスをチェックすることもできます。

45分で100ドルという価格は、熱狂的ファンや好奇心旺盛なASMR初級者には最適でしょう。

日本でも、そのうちASMRスタジオが出てくると僕は思いますね。

参照:quickanddirtytips

Photo by おうじ

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Keisuke Kuribara

株式会社Propagation代表取締役。興味対象は、ビットコイン、大麻、ウェブ、金融、生物、心理など。金融から健康、テック、音楽など様々な事について執筆しており、このブログは月間20万PV程度となっております。自身のアウトプットや知的好奇心を満たすことが主な目的です。お仕事の依頼や相談などお気軽にお問い合わせください。Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)を保有。

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