メダカを飼育している人に向け、フィルターを使用せずに蒸発した分の水を加えるだけでキレイな飼育環境を保つ方法を紹介する。

紹介する方法は、糞が多い以下の生物には向かない。

  • 熱帯魚でも大きめの魚
  • 金魚
  • 肉食魚
  • 海水魚
  • ザリガニ

基本的には、メダカを手間なくキレイな環境で飼育する方法だ。

特に難しい構成ではなく、一番重要なのは『なるべく自然の状態を意識する』ことである。自然環境ではフィルターなど無くても水がキレイなのはなぜだろうか。

答えは生態系である。生物は相互作用している。

つまり、飼育環境でも生態系を作り出してあげれば良い。

僕について

まずは、こんな記事を書いてるお前誰だ、というところから簡単に紹介する。

僕は今IT関係で仕事をしており、一見自然とは無縁だ。だが、そこそこ自然に詳しい理由を説明する。

小学生の時、学年に1人くらい昆虫博士みたいな奴はいなかっただろうか。

そう、ガキの頃の僕がそれだ。昆虫図鑑、動物図鑑、魚図鑑、水中生物図鑑の品種は大体頭に入っていた。

今でも、メジャーな生物は言える。例えば、バッタを見た時に一般名詞である「バッタ」とは呼ばず、「〇〇バッタ」と行ってしまうのは昔からの癖だ。

そのため、小さい頃から何かを飼育していた。自宅の外でカマキリを繁殖させて大量の幼虫を撒き散らしたりしたのは良い思い出だ。

勿論、小学生の頃からメダカ、金魚、ザリガニといった王道の水生生物は飼っていた。

時は過ぎて中学生になる。

中学生あたりになると、相当に科学的知識がついてくる。エネルギー保存、微生物、炭素循環、生態系などだ。

これらの知識を組み合わせ、自然の生態系を取り込んだメダカの飼育環境を整えていた。

ここまで読んでいただくと分かると思うが、僕はオタクである。大学は、東京農業大学で自然環境やインフラ(ダム=>川=>海までの水の流れ)などについて学んでいた(4年時、研究に興味を持てず辞めているが)。

つまり、多くの日本人よりも環境や生物に関しては詳しいと思っていただいて良い。

よくある構成

メダカの飼育環境として、よくある構成を示してみる。

30cmの水槽、砂利、メダカ20匹、ブクブク付きフィルター、とりあえず浮かべてある水草

これでも悪くないが、ベターではない。いかにも人間が作り出した「メダカの飼育環境」だ。

上記のような環境では、フィルターの交換を定期的にしなくてはならない。面倒だし、水交換の際はメダカをバケツなどに移さなければならず、魚に負担をかけることにもなる。

環境構築

では、なるべく自然環境に近づけた飼育方法を紹介する。

とはいっても構成は非常にシンプル。自然の生態系も複雑な環境ではない。

用意するもの

  • 赤土 (水草が根を張りやすい、微生物が住み着きやすい)
  • 水槽
  • 水草
  • 大きめの貝(タニシなど)

これだけだ。イメージすると、すんなり頭に入って来ると思う。

メダカが食べる餌は糞になり、食べ残しは下に沈む。メダカは酸素を消費し二酸化炭素を排出する。

主に水が汚れる原因は、「食べ残した餌が腐る事」、「二酸化炭素濃度が上がりプランクトンが増える事」、「糞が処理されない事」などだ。つまりは、これらの原因を自然に解決してあげればよい。

  • 食べ残した餌が腐る:食べ残した餌が腐らないよう他の生物で処理させる
  • 糞が処理されない :動物の糞は植物の栄養となる事はご存知だと思う
  • 二酸化炭素濃度が上がる:植物は光が出ている間に光合成を行うので、二酸化炭素を吸収し酸素を排出する。つまり、酸素を吸収を二酸化炭素を排出する動物の逆を行う

上述のように、全てを生物間で相互作用させられる。

ロジックはこうだ。

餌の食べ残しは貝が処理する。糞は水草の栄養にできる。二酸化炭素は水草の活動の一部だ。水草の根がキチンと張るような赤土を用意してあげれば良い。赤土は粒度がバラバラなので、塊の間に微生物が住み着きやすい。良好な微生物が住み着いた環境は浄化作用が働き、非常に良い環境を持続しやすい。

メダカ

実際に中学生の時上記の環境でメダカを飼育していたが、本当にカルキ抜きした水を足しただけだった。費用が全然かからないため、メダカにも人間にも優しい環境だ。

高校生は部活動で忙しく、それ以降は一人暮らしで移動したりしているので、残念だが飼えていない。ただ、テクノロジーとは違い自然環境は陳腐化しないので安心してほしい。

構築の流れ

ざっと、環境構築の流れを説明していく。

実際にメダカを入れるまで、概ね1週間ほど準備に時間をかける。これは、より良い環境を構築するためなので我慢してほしい。

水槽に敷く赤土は、一度熱湯で殺菌すると良い。具体的には、使用する分の赤土を沸騰させたお湯で浸し、1日程度置くだけで良い(殺菌してすぐにお湯を捨てるのは非常に熱いため危険)。

殺菌した赤土の水を捨て、赤土を水槽に入れる。水道水を8〜9割程度まで入れ、3日ほど置きカルキを抜く。

カルキ抜きが終わった水槽に水草を入れる。このとき、水草が赤土に根を張るよう植えてほしい。ここでも3日ほど置く。

水草と赤土、水が落ちついた事を確認しよう。この時点で、水槽内は非常に良い環境になっている。水が落ち着いたら、30cm水槽の場合は2〜3匹大きめの貝を入れてあげる。水槽内に入れる貝は、水田にいる小さい貝(サカマキガイ)や糞を大量にし繁殖しまくるジャンボタニシは避けてほしい。一般に販売されているヒメタニシが良いだろう(ペットショップでねだればタニシ数匹は分けてくれるかもしない)。

貝を入れて1日程度置いたら、いよいよメダカの投入準備だ。

いきなり新たな環境に入れられると驚くのは人間だけでない。メダカも同じ。なので、投入する水槽の水温にメダカを慣れさせるため、半日ほどビニール袋に入れたまま浮かせておこう。俗に言う、水合わせというもの。

水合わせを行ったら、あとは水槽にメダカを入れるだけ。

元気に泳いでくれたら完成だ!

日程

1 + 3 + 3 + 1.5 + 0.5 = 9

最大9日程度で完全なメダカの飼育環境が出来上がる。

メダカ

メンテナンス

メンテナンスは非常に簡単。蒸発した分の水を補充すればいいだけ。水槽の水位が下がったら、カルキ抜きした水を加えるだけでいい。

まとめ

僕が紹介している方法は、非常に簡単だ。

その概念の根本には、『自然な生態系に限りなく近づけること』がある。

したがって、他の生物を飼育するときにも、この考え方は適応できる。飼育対象の生物は、「自然界でどのような環境に生息しているのか」、「その環境には他どのような生物がいるのか」、「相互作用している生物は何か」などなど。こういったことを考えてペットと接すると非常に面白いはずだ。

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