アフリカで初めてネアンデルタール人の遺伝子が発見される

Josch NolteによるPixabayからの画像

アフリカの人々も、ネアンデルタール人の祖先を共有していることが最近初めて明らかになりました。

ネアンデルタール人の遺伝子は、約6万年前にアフリカから世界各地へ「ヒト」が大移動した後に起こった交配によって、『アフリカ以外の集団にのみ存在する』と以前は考えられていました。

今回の発見は、人間とネアンデルタール人の血統が、かつて考えられていたよりも密接に結びついており、約20万年前に起こった、はるか以前の交配を示唆しています。

「私たちの研究結果は、この歴史の方がはるかに興味深く、多くの人々がアフリカから移住し、その一部が現代人とネアンデルタール人の混血につながったことを示しています」と、プリンストン大学の進化生物学者で統括著者でもあるJoshua Akey(ジョシュア・エイキー)氏は語ります。

この研究によると、現代に生きるヨーロッパ人とアジア人のネアンデルタール人のDNA保有率は約1%であるのに対し、アフリカ人は平均0.3%であるようです。

Akey氏らは、このネアンデルタール人のDNAは、先祖が何世代にもわたってアフリカを離れ、ネアンデルタール人と出会い、交配した後、古代ヨーロッパ人とともにアフリカへ到着し、その後アフリカで現地人と交尾したと考えています。

流れを簡素化すると、

  1. ホモ・サピエンスの先祖がアフリカを離れる
  2. ヨーロッパでネアンデルタール人と出会う
  3. ホモ・サピエンスとネアンデルタール人が交配する
  4. ヨーロッパ人とともにネアンデルタール人もアフリカへ渡る
  5. アフリカの現地人とネアンデルタール人が交配する

でしょう(間違ってたらご指摘いただきたいです)。

「我々の研究の重要な点は、ヒト科の動物が何十万年もの間、アフリカに出入りしていたこと、そして時には交配していたことを浮き彫りにしています」とAkey氏は述べました。

「主に、現代ヨーロッパ人の祖先がアフリカへ移住したことは、ネアンデルタール人の遺伝子を運び、交尾を通して、今日のアフリカ人でDNAが検出される事へ貢献しました」

高度な遺伝学技術(数的モデリング)の出現により、私たちの祖先の移動パターンや、他タイプの人種との出会いの詳細が、次第に明らかになりつつあります。

これらの統計的手法によって、研究者はネアンデルタール人のゲノムを古代の現生人類や異なる生物集団のDNAと並べ、異なる系統が着実に分岐してきたのか、あるいは、ある時点で大量に交配されたかどうかを解明することができます。

今回の調査では、ネアンデルタール人のゲノムに存在する、これまで気づかれていなかった、古代人の遺伝子に焦点が当てられています。

この遺伝子は、約20万年前に起こった異種交配によって獲得されたとみられています。

このことは、初期のヒトの集団がアフリカからヨーロッパ、果てはアジアへ旅するなかで、ネアンデルタール人の集団と遭遇し、そのゲノムにかすかな痕跡を残しました。

これは、10万年以上経ってもなお、遺伝子が検出されていたことを示唆しています。

この論文はまた、アフリカの集団における遺伝学的研究が相対的に不足していることにも焦点を当てています。

アフリカ大陸で最初に現れたのは現生人類であり、今日のアフリカ人は、世界の他地域の集団を合わせたよりも遺伝的に多様であるにもかかわらずです。

「ヒトのゲノム変異と進化の歴史をより完全に理解するためには、世界すべての地域の個体を包括的にサンプリングすることが不可欠であり、アフリカは最も研究が進んでいない地域の1つです」とAkey氏は述べています。

アフリカの先祖は人間のルーツの奥深くまで及んでいますが、ネアンデルタール人の遺産を共有しているかどうかは不明です。

たとえば、KhoeSan(サン人)とMbuti(中央アフリカピグミー)の集団は、10万年以上前に他の集団から分かれたようです。

この研究結果はCellで発表されています。

参照:theguardian

You May Also Like
温暖化
続きを読む

地球温暖化による動物5種の行動変化

世界中で様々な生物が、食事、パターン、餌場など、ライフスタイルの変更を余儀なくされている。 Guardianで紹介されていた、代表的な5種類の生物の事例を紹介したい。 オサガメ 先週、海水温の上昇と海流の変化が、オサガメ…
犬
続きを読む

犬1匹の経済的価値はいくら?

犬は、人間にとって非常に価値があるものです。 アメリカでは、犬の飼い主は高いコストをかけています。 彼らは昨年、ペットに700億ドル以上使ったという調査結果が出ています(獣医ケアに200億ドル、物資に160億ドル、食料に…
サソリ
続きを読む

サソリの毒が新たな抗生物質につながる可能性、ブドウ球菌と薬剤耐性菌に有効か

サソリは純粋にカッコイイが、医療等の科学的観点で有益だと思われる事はめったにない。 これまで研究者たちは、クモ類の毒液からブドウ球菌感染症や薬剤耐性結核の治療に有望な2つの化合物を分離するなど、生物から恩恵を受ける方法を…