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投資のプロの『考え方』を学ぶ。分かりづらいファイナンス理論を優しく解説②(ポートフォリオ理論とリスク管理編)

投資
Photo by Sharon McCutcheon on Unsplash
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この記事は、Youtubeへ公開した動画を元に記述したブログである。

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投資のプロの『考え方』を学ぶ。ファイナンス理論を優しく解説②(ポートフォリオ理論とリスク管理編)【初心者の失敗を減らす】

①プライシング理論はこちら

内容紹介

今日は、前回話したファイナンス理論入門の続きの話しだ。

内容は、ポートフォリオ理論とリスク管理である。

前回までで資産の価値を見積もる方法を学んだので、組んでいくポートフォリオとリスクをどう管理するか、という自然な流れだと思う。

では、早速見てこう。

ポートフォリオ理論

どの資産にどれだけ投資すればよいか

プライシング理論が資産の公正価値を求めるための理論だったが、それだけで投資判断をすることはできない。それは、市場にはあらゆるクラスの資産があるからだ。

それぞれに、どれくらい投資するか判断する尺度に、ポートフォリオ理論というものがある。

ポートフォリオの構成を決定するには、投資する資産クラスを決め、それぞれの資産クラスの中で、どの銘柄にいくら投資するか判断していく。

究極、投資家にとって最適なポートフォリオというのは、安定的に収益を生み出すポートフォリオである。リターンはリスクと隣合わせであるため、どれだけリスクを取って、その対価としてリターンを期待するか考える必要があるわけだ。

ポートフォリオの価格変動が激し過ぎた場合、心は安心しない。したがって、ポートフォリオのリターンを安定させるためには、あらゆる資産クラスや銘柄に分散して投資する必要がある。

ポートフォリオ理論は、この分散投資の中身を合理的に決定するのに役立つ。

ポートフォリオ理論の土台となっているのは、資本資産価格モデルであり、CAPM(キャップエム)とも呼ばれている。

CAPMは、いくら儲かりそうかという点に加え、日々のリターンのブレがどれくらい激しいかという側面に着目して資産の配分比率を決めていく。

CAPM
Via Corporate Finance Institute

簡単に要点で説明すると、CAPMは全ての資産を無リスク資産とリスク性資産に分けて考える。無リスク資産はアメリカや日本などの主要先進国が発行している国債のことで、リスク性資産はそれ以外全てである。

したがって、ポートフォリオを決定する時は、リスク性資産の中で何をどれだけ保有するかと、無リスク資産とリスク性資産をそれぞれ何割所有するかという問いに分解できる。

結論から言えば、リスク性資産は市場ポートフォリオと一致させるべきだというのがCAPMの結論である。市場ポートフォリオとは、市場全てのリスク性資産を時価総額に比例して保有するポートフォリオのことである。

ポートフォリオにおいて、個人ごとに取るべきリスクは異なるため、市場ポートフォリオからどれだけ動かすかを考えるわけ。安全性を重視したい人ほど無リスク資産を増やしていく。

ポートフォリオのリスクは無リスク資産の割合で調整し、場合によってはレバレッジをかけ高いリターンを狙うこともあるだろう。

主にリスクはリターンのブレなので、標準偏差を使う。したがって、時系列データで標準偏差からリスクを割り出すわけだ。

複数のリスク性資産へ投資するとき、それぞれに0%から100%まで投資した時に、標準偏差と期待リターンをプロットし、リスクとリターンから投資配分を決定していく。

プロットされるグラフは弓状になるので、リスクとリターンの比率を決定していくわけだ。

この、最も標準偏差が小さく、期待リターンの大きいポイントを効率的フロンティアと呼ぶ。つまり、リスク性資産へ投資するときは効率的フロンティアから、資産の候補を探せば良いわけだ。

効率的フロンティア
Via 東証マネ部!

CAPMの詳細な解説は、本を手に取ったり、より詳細なポートフォリオ理論の本を読んでいただければと思う。

僕は、自分を資産とみなして、労働でキャッシュフローを得ながら、あまり高くないリスクの資産へ投資し、思考のウェイトを金融市場ではなく労働市場に向けているわけだが、それぞれの考え方から取るべくリスクは変わるはずなので、ポートフォリオを学ぶのは凄く有意義だと思う。

リスク管理

致命的な損失を避けるための適切なリスクとは

プライシング理論とポートフォリオ理論で、リスクを管理することは非常に重要だということは分かってきたと思う。

これは、リターンとリスクが密接につながっているからだ。

したがって、投資から生じるリスクを監視して、適切な水準を維持するリスク管理が重要になってくる。

先に述べているが、一般生活におけるリスクは損失となるマイナス面をさすが、ファイナンス的には期待からのブレを指す。

リスク管理は2パターンに分けて考えるのが通説で、金融市場における価格変動が原因で生じるものを市場リスクといい、取引相手の債務不履行(さいむふりこう)によるものを信用リスクという。

金融商品は値動きがあり、大きな値動きの日もあれば、小さな動きの日もある。そこで、日次リターンの分布をグラフにすると、一般的に正規分布になる。したがって、ファイナンス理論は資産やポートフォリオのリターンが正規分布に従うと仮定して話しを進めることが多い。

正規分布
By Inductiveload – self-made, Mathematica, Inkscape, Public Domain, Link

将来のリターンは実際不明なのだが、平均リターンになる確率が最も高く、平均から乖離したリターンになる可能性は低い。このどんな値を取り得るかが示されている確率変数という。

少し言い換えると、ファイナンス理論では将来リターンを確率変数として扱い、正規分布に従うと考えるのだ。

ただし、正規分布において標準偏差は68%しかカバーしていない。難しい話しは抜いておくと、標準偏差はリターンの分布で7割程度をカバーしているということだ。

標準偏差に関して概ね分かってきたと思うが、標準偏差は一般的なものである。

だが、経済は常に同じではなく、非常事態も生じる。したがって、非常事態の話しも少ししたい。

非常事態はポートフォリオの価値が大きく下落することであり、これはバリュー・アット・リスク(VaR)という概念が用いられる。

バリュー・アット・リスクは、起こりうる最大級の損失額を数値化したものだ。

PyonDude – 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる

統計的な話しをすると、バリュー・アット・リスクは保有する期間と信頼できる水準を決める必要がある。

バリュー・アット・リスクは上限枠を設定する方法が一般的。例えば時価総額1億円のポートフォリオに2500万円のバリュー・アット・リスクを設定するなどという。

この例では、ポートフォリオ全体のバリュー・アット・リスクが2500万円を超えないように運用していくわけだ。つまり、バリュー・アット・リスクを設定することは、身の丈に合った投資をするために重要なのだ。

計算式や、そもそも正規分布を仮定せずにバリュー・アット・リスクを求める方法は、書籍にて確認してほしい。

ほか、リスク管理の理論は主に正規分布であり、正規分布に捉えきれないファットテールの分析は重要である。

感想

この動画では、資産運用に関する考え方を紹介してきた。

よく言われることであるが、分散投資が重要であることは分かったはず。

日本人はアメリカなどと比べて現預金率が高く、これは金融市場へ投資していないことを表している。もちろん、リスク性資産を保有すれば損する可能性もあるが、適切に分散投資していれば、最終的により良い結果に繋がるだろうということが分かったと思う。

ファイナンス理論の根本的な考え方は、リターンはリスクの対価であるというものだ。

対価のないリスクを分散投資で抑え、対価が支払われるリスクを適切な水準に維持することでリターン取りに行く。

ファイナンス理論を学ぶことで、リスクをとにかく避けるという考え方や、楽して儲かるみたいな詐欺投資から身を守ることができる。

この本を読めば投資で儲かるというわけではないが、基本的な考え方を身に着けておくことはとても大切だと思う。