ドイツが景気後退に向かっている理由を説明する8つのチャート

欧州最大の経済大国でありユーロ圏の大国でもある、ドイツの景気低迷へ懸念が高まっている。

最新のデータはあまり良くないように見え、以下で示す8つのチャートは、なぜ景気後退が起こりそうなのかなぜドイツが長期の景気後退を回避するため行動しなければならないのかを示している。

1.GDP成長率(2014〜19)

ドイツ経済
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エコノミストが当面の景気後退を懸念する第1の理由は、ドイツのGDPが2018年半ば頃から減少し続けており、経済パフォーマンスがやや暗い様相を呈していることだ。専門的には、リセッション(景気後退)とはGDP成長率が2四半期連続でマイナス成長となることを指す。

2019年第二四半期の経済成長率は0.1%減少したため、注目されるのは9月のデータだろう。

2.鉱工業生産指数(2009〜19)

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景気後退の可能性が高い第2の理由であり、非常に重要なのは、ドイツの最新の鉱工業生産指数があまり良くないことだ。過去12ヶ月で見られる全体的な減少は、2012-13年以来最長である。

3.鉱工業生産量(2018〜19)

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実際、ドイツの鉱工業生産は2018年10月以降、マイナスが続いており、2019年夏では最大4%減少している。これは、ドイツの2019年の鉱工業生産が、フランス、スペイン、イタリア、さらにはギリシャをも下回っていることを意味する。

4.工業生産(2018〜19)

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ドイツの工業生産のほぼ80%を占める製造業(自動車や機械等)を詳しく見ると、-6%のマイナス成長というさらに悪い状況が浮かび上がる。

IFO景況感指数

ドイツの大手経済研究所であるIfo経済研究所が発表したIFO景況感指数も、2012年11月以来の最低値(94.3ポイント)に移動したため特に懸念されているが、ドイツの産業はこの負の傾向をすぐに克服すると確信しているようだ。

IFO景況感指数

5.貿易収支(2018〜19)

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ドイツの産業が苦戦している主な理由の一つは、同国の有名な輸出依存度にある。輸出と輸入の差を示すドイツの貿易収支は、2018年初頭から季節調整済みでいくらか減少しており、少し回復したように思えるのはつい最近のことである。

6.個人消費(2014〜19)

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この1年間、世界の成長率はアメリカと中国で進行中の貿易戦争と、鉄鋼、アルミニウム、衣料、自動車、食品などのEUの輸出に対する米国の関税によって低下している。このことは、欧州の輸出市場の低迷が続いていることと相まって、ドイツ産業の輸出を困難にし、結果としてドイツ産業の業績を向上させている。

さらに、ドイツの国内消費支出は2018年後半にやや伸び悩み、つい最近やや回復した。これは、最近の鉱工業生産の回復を説明しているのかもしれない。

7.消費者信用(2014-19)

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2018年後半から2019年初頭にかけて消費が伸び悩んだのは、昨年7月ごろから消費信用の減少と家計可処分所得の増加が続いたためとみられる。

8.政府支出(2014〜19)

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個人消費と同様に、2018年後半には比較的低く最近ようやく回復した政府支出に注目する価値がある。

ドイツの輸出に対する世界的な需要の弱さと、民間部門と公共部門の両方からの内需の低さは、2019年4月から6月にかけて経済が0.1%縮小したことを意味しており、民間と公共部門の支出は最近ある程度の伸びを示している。

しかし、景気後退を回避するには遅すぎるのではないかという疑問も残る。

必要なこと

ドイツはユーロ圏とEU全体の経済に大きく貢献している。フランス、イタリア、ベルギー、スウェーデンなど多くのEU加盟国にとって最大の貿易相手国である。これを踏まえれば、ドイツの景気後退は大陸全体、特にドイツのサプライチェーンの一部を形成する国々によって感じられるであろう。

ドイツが管理できない部分で、主な要因の米中貿易戦争と関税はすぐに変わらないだろう。また、ドイツの輸出を改善する可能性がある、欧州大陸全体の需要も引き続き低迷する見通しだ。

インベスターZ

欧州、特にドイツが必要としているのは、イノベーションと国内需要を促進するための、政府資金による投資プログラムである。今までの歴史から、このような種類のプログラムは非常に難しいことが証明されている。ほとんどの欧州諸国は財政的に保守的であり、緊縮財政の物語(手段を超えてお金を使わない)がユーロ圏、特にドイツを支配している。

しかし、変化の兆しもある。

ドイツは、このような景気後退を認識し、経済成長に投資し、借入水準が歴史的な低水準にあることを利用して、新たな債務を引き受ける方法を模索しているとの報道が浮上している。

この投資が長引く不況を避けるために、遅すぎないことを願うばかりだ。

参照:theconversation

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