【武漢】中国の新型コロナウイルス「ヘビ」が発生源かもしれない

コブラ
Photo by Godwin Angeline Benjo on Unsplash

中国でこの冬、呼吸器系の致命的な感染症が発生している。新たに発見されたコロナウイルスの元凶は、「アマガサヘビ」や「コブラ」といった『ヘビ類』かもしれない。

コロナウイルスは、中国中央部の主要都市である武漢で、2019年の終わりに最初に報告され、世界中へ急速に広がっているようだ。

以来、武漢を経由した旅行者によって、中国だけでなくアメリカなど他の国の人にも感染している。

患者から分離したウイルスのサンプルを使い、中国の科学者たちはウイルスの遺伝子コードを特定し、顕微鏡を使って写真を撮影した。

この病気の原因となる病原体は、新種のコロナウイルスである。これは、過去17年間に何百人もの命を奪ったことで有名な、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)や中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)と同じ系統のウイルスだ。

世界保健機関(WHO)は、この新しいコロナウイルスを『2019-nCoV』と命名した。

ウイルス学者らは、公衆衛生における脅威の広がりを抑えるために、多くの疑問へ答える必要があり、動向を注意深く見守っている。

コロナウイルスとは何か?

コロナウイルスの名前は、その形が電子顕微鏡で撮影したとき、冠や太陽のコロナに似ていることへ由来する。

コロナウイルスは空気を介して伝播し、主に哺乳類や鳥類の上気道および消化管に感染する。

多くのコロナウイルスは、感染中に軽いインフルエンザのような症状しか引き起こさないが、SARS-CoVやMERS-CoVは上気道/下気道の両方に感染し、重度の呼吸器疾患や他の合併症を引き起こす可能性がある。

コロナウイルス
国立アレルギー感染症研究所(NIAID)によって作成された、透過型電子顕微鏡(TEM)画像。中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)ウイルス粒子が示す、超微細構造の詳細を明らかにした。

中国で発見された新種の『2019-nCoV』は、SARS-CoVやMERS-CoVと同様の症状を引き起こし、このコロナウイルスに感染した人は『重度の炎症反応』を起こす。

残念ながら、今のところ、コロナウイルス感染症に使用できるワクチンや抗ウイルス治療法(認可された薬剤)は無い。

したがって、2019-nCoVに関する情報は非常に重要だ。例えば、感染源、感染経路、増殖経路などをよりよく理解することが、この疾患の予防と治療に最適である。

人獣共通感染症

SARSもMERSも人獣共通感染症に分類されている。これは、最初に感染した患者が、動物から直接ウイルスに感染したことを意味する。

なぜ動物からヒトへ感染するようになったかというと、ウイルスが動物を宿主としている間に遺伝子変異を起こし、ヒトに感染し増殖できるようになったからだ。

コウモリ

このウイルスは、勿論、ヒトからヒトへと感染する。野外研究は、SARS‐CoVやMERS‐CoVの起源がコウモリであり、ハクビシンラクダが、コウモリとヒトをつなぐ中間宿主として働くことを明らかにした。

新種のコロナウイルスの場合、入院した患者のほとんどは、

  • 加工肉
  • 家禽
  • ロバ
  • ヒツジ
  • ブタ
  • ラクダ
  • キツネ
  • アナグマ
  • タケネズミ
  • ハリネズミ
  • 爬虫類

といった、生きた動物も販売していた海産物卸売市場の労働者や顧客であったと報告されている。

しかし、水生動物に感染しているコロナウイルスを発見したという報告はないため、コロナウイルスは、その市場で販売されていた他の動物に由来する可能性もある。

2019-nCoVが市場の動物から発生したという仮説は、Journal of Medical Virologyの新しい論文によって強く支持されている。科学者たちは分析を行い、2019-nCoVと既知のコロナウイルスすべての遺伝子配列を比較した。

武漢の華南海産物卸売市場は、コロナウイルスに起因する肺炎の発生と関連している。Photo: Simon Song

遺伝研究により、2019-nCoVは中国にいる2種のコウモリを発生源とするSARSコロナウイルスと最も密接に関連していることを明らかにした。

著者らはさらに、宿主細胞上の受容体を認識するウイルス粒子の「クラウン」を形成する、2019-nCoVスパイクタンパク質のDNAコード配列が、コウモリウイルスがヒトに感染する前に変異した可能性を示していることを発見した。

しかし、研究者らが2019-nCoVの配列をさらに詳しく調べるため、バイオインフォマティクス解析したところ、このコロナウイルスはヘビに由来する可能性が示唆されたのだ。

コウモリからヘビまで

研究者らは、この新しいコロナウイルスが好むタンパク質コードの解析を行い、鳥類、ヘビ、マーモット、ハリネズミ、マニス、コウモリ、ヒトなど、さまざまな動物に見られるコロナウイルスのタンパク質コードと比較した。

驚くべきことに、2019nCoVのタンパク質はヘビに使われているものと最もよく似ていることがわかっている。

ヘビは、よく野生のコウモリを狩る。

レポートによると、武漢の海産物市場ではヘビが売られており、このコロナウイルスが広まり出した初期に、2019-nCoVが宿主であるコウモリからヘビ、そしてヒトへと伝搬した可能性が高まっている。

しかし、このウイルスが変温動物と恒温動物の両方へ、どのように適応できるのかは謎のままである。

ヘビ

レポートの著者や他の研究者らは、『実験室での実験』を通して、ウイルスの起源を検証しなければならない(現場には出られないからだ)。

最初にすべきことは、ヘビの2019-nCoV配列を探すことであろう。しかし、コロナウイルスが発生以来、市場は消毒された後に閉鎖されていて、感染源を突き止めるのは困難である。

ウイルスの起源を確認するには、市販の動物だけでなく、野生のヘビやコウモリからDNAを採取する必要がある。だが、レポートによる知見は、予防法と治療法を開発するための洞察も提供すること間違いない。

2019-nCoVは、人獣共通感染症を予防するために、野生動物の摂取を制限すべきであることを再認識させてくれている。

コロナウイルスの拡散状況マップ

Tableauによるデータの可視化で、コロナウイルスの最新の拡散状況を示したマップがある。以下より、チェックしてみよう。

コロナウイルス
https://public.tableau.com/shared/8FSBHTDD8

参照:theconversation

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